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2008年03月06日(木) 15時01分

<ビル地上げ>「光誉実業」紹介でも委託料払う スルガ社毎日新聞

 東証2部上場の「スルガコーポレーション」(横浜市)のビルの地上げを巡る弁護士法違反事件で、地上げを行った「光誉(こうよ)実業」(大阪市)社長、朝治博容疑者(59)をスルガ社に引き合わせたのは、東京都千代田区の不動産会社「共同都心住宅販売」元社長の風間勇二容疑者(57)だったことが分かった。スルガ社が光誉だけでなく共同にも地上げの委託料を支払っていたことも判明。警視庁組織犯罪対策4課は、スルガ社が一連の転売ビジネスの功労者である2人を重視していたとみて調べる。

 風間容疑者は、地上げを共謀したとして同法違反容疑で逮捕されている。

 スルガ社は03年6月ごろ、東京・有楽町の中古ビルの地上げが難航したことから、取引先の不動産業者に立ち退き交渉を任せられる業者探しを依頼。不動産業者が連れてきたのが風間容疑者だった。

 しかし、風間容疑者は「1人では地上げができない」と話し、交友のあった朝治容疑者をスルガ社に紹介したという。朝治容疑者を見た同社役員は、「堅気じゃない」「契約するのは危ない」などと考え契約をためらったが、岩田一雄会長(69)が最終的に決断したという。

 地上げが始まると、賃借人との交渉には朝治容疑者ら光誉社員があたったが、スルガ社は共同に対しても委託料を支払っていた。

 03〜05年にスルガ社が購入した都心のビル4棟では契約書類上、立ち退き交渉を共同と光誉の2社に委託した形を取っており、立ち退かせる賃借人数が最も多かった秀和紀尾井町TBRビル(千代田区麹町)では、共同に1億円を超える委託料が支払われていた。

 組対4課は、共同が地上げを光誉に丸投げしていることを知りながら、スルガ社が委託料を共同にも支払い続けたとみて、風間容疑者らを追及する。

 民間信用調査機関などによると共同は95年の設立で社員は数人。内偵が進んでいた昨年12月、東京都に宅地建物取引業の廃業届を出した。

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