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2008年03月05日(水) 23時44分

三浦元社長の即時釈放申し立て棄却、45日間の拘置を決定読売新聞

審理を終え、法廷を出る三浦和義元社長(5日午後、北マリアナ上級裁判所で)=吉岡毅撮影

 【サイパン=山下昌一】1981年のロス疑惑「一美さん銃撃事件」を巡り、米自治領サイパンで逮捕された元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)(日本で無罪確定)の移送手続きに関する審理が5日、サイパン島の北マリアナ上級裁判所で開かれた。

 ラモナ・マングローニャ裁判官は「三浦元社長は逃亡犯と認められ、逮捕は合法」と述べ、弁護側による移送手続きの取り消しと即時釈放の申し立てを棄却する決定をした。

 移送の可否に関する本格的な審理は、カリフォルニア州のシュワルツェネッガー知事が署名した移送令状が届くのを待って、3月19日、同裁判所で開かれる。

 判決が確定した事件の刑事責任を再び追及することを禁じる一事不再理については、マングローニャ裁判官は「当裁判所では議論できない」として、審理をカリフォルニア州の裁判所に委ねる判断を示した。

 この日午後3時から始まった審理では、主任弁護人のブルース・バーライン弁護士がスクリーンを使って「北マリアナの裁判所による拘束令状が発付されていない」などと逮捕手続きの不備を指摘。検察側は「カリフォルニア州の裁判所が発付した殺人と共謀罪の逮捕状は有効」と反論した。

 これに対し、裁判官は逮捕手続きの不備を認めて、検察側に改めて拘束の申請をするよう求め、新たに発付する拘束令状で2月22日の逮捕から45日間となる4月6日まで拘置することを決めた。

 約4時間半にわたる審理で、3人の弁護人は度々、検察官の発言を遮るなどして一事不再理を取り上げようとしたが、退けられた。

 閉廷後、バーライン弁護士らは記者会見し、「今回は敗北したが、戦いはまだ続く」と北マリアナ最高裁への異議申し立てや人身保護請求など、あらゆる対抗策を検討していることを明らかにした。6日には改めて保釈を請求する方針。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080225-1331217/news/20080305-OYT1T00505.htm