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2008年03月05日(水) 02時32分

<談合>役員逮捕の業者が警察署工事 千葉・木更津毎日新聞

 2月に談合事件で取締役(64)が千葉県警木更津署などに逮捕された建設会社が、この警察署の新築工事を請け負っていることが分かった。手続き上の問題はないが、発注者の県警総務部会計課は「何ともコメントしがたい」と困惑している。

 建設会社は市内の「新興土建」。8社が参加し06年12月18〜20日に行われた県出先機関発注の「住宅市街地整備基盤工事」の指名競争入札で取締役が、もう1社の総務部長(43)と競売入札妨害(談合)容疑で2月24、25日に逮捕された。

 署の新築工事はこの入札があった1カ月後の07年1月19日、一般競争入札で16社8組が共同企業体(JV)で参加して行われ、新興土建と県内の中堅ゼネコンのJVが8億6000万円で落札した。鉄筋コンクリート5階建て庁舎棟と鉄骨2階建て車庫棟で、08年度中に完成予定。既に足場を組んで骨組みが姿を現している。

 新興以外は参加業者が異なり、落札率も事件の入札より約10ポイント低く、談合が行われた可能性は少ないとみられている。県総合企画部企画調整課政策評価室も入札は正当だったと判断。その一方で「発注主体は県警なのでコメントは差し控える。でも、おかしな話だとは思う」と話す。

 新興は07年、官公庁の工事が88.3%を占め、県発注工事の年間受注額ランキングは1位。「うちは警察署の工事まで受注できる」と事件の入札に参加した業者に話していた。事件を受け県は2月26日に、木更津市は同28日に半年間の指名停止処分としたが、署の工事は引き続き担当する。【篠原成行】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080305-00000011-mai-soci