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2008年03月04日(火) 02時31分

<弁護士法違反>無資格で立ち退き交渉 会社社長ら逮捕へ毎日新聞

 弁護士免許がないのにビルの立ち退き交渉をしたとして、警視庁組織犯罪対策4課は3日、大阪市の建設会社「光誉(こうよ)実業」の社長(58)ら同社社員約10人に対し、弁護士法違反(非弁護士活動)容疑で逮捕状を取った。近く強制捜査に乗り出す。同社は横浜市内に本社がある東証2部上場の不動産会社から依頼を受けて交渉していた。組対4課は、光誉から暴力団関係者に資金が流れた可能性もあるとみて裏付けを急ぐ。

 調べでは、光誉は05年秋ごろから約1年間かけ、弁護士免許がないのに、不動産会社が所有する東京都千代田区麹町の秀和紀尾井町TBRビル(13階建て、築30年)に入居していたベルギー観光局や弁護士事務所など数十の入居者と交渉し、立ち退かせた疑い。完了後、ビルは取り壊されて更地となり、不動産会社は直後に不動産投資ファンドに転売した。

 登記簿などによると、光誉は84年設立。組対4課は、同社と指定暴力団山口組系幹部と口座間の現金のやり取りがあることなどから、暴力団と関係が深い企業とみている。

 一方、不動産会社は07年2月、警察庁の元暴力団対策部長(62)を顧問に迎え(現在は専務)、コンプライアンス(法令順守)を掲げたが、その後も光誉に依頼を続けていたという。非弁護士活動には依頼した側に罰則がないため、容疑には問われない。

 不動産会社は72年設立。95年の上場後、ビルの入居者を立ち退かせた後に、更地にして転売するなどして売り上げを伸ばした。07年3月期の売上高は792億円で業界中堅クラス。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080304-00000010-mai-soci