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2008年03月04日(火) 00時00分

⑤世界のオタク「聖地」ツアー読売新聞

 OTAKU—ANIME ADVENTURE

昨年3月に開かれた東京国際アニメフェア(東京ビッグサイトで) (c)TAFEC

 旅行会社JTB(品川区)は欧米で、こんな名前のツアーを売り出した。直訳すると、「アニメオタクの冒険」。向かう先は秘境の地ではない。私たちの住む東京だ。

 同社によると、日本にオタクと呼ばれる熱心なアニメファンがいることは、何年か前から海外でも知られるようになったという。「インターネットや衛星放送の影響かと思います」(広報・加藤八十司さん)。同社はこれに目を付け、昨年10月、4泊5日のパック旅行を発売した。

 要するに、「オタクよ、集まれ」というツアーだ。同社が海外の旅行代理店向けに作成したチラシには、東京国際アニメフェアの写真とともに、浅草雷門、すし、秋葉原の街が紹介されている。中でも、目を引くのがメード服の女の子。チラシの中央にでーんと配置されている。

 <日本人は少女にメードとして働くことを強いている>——なんて、勘違いされたりはしないか。それには心配およばず。秋葉原やメード喫茶は、海外でもすいぶん有名になっているそうだ。恐るべし、オタク文化。国際化の波にも、しっかり乗っている。

 ツアーは当初30人だったが、それ以上の応募があったため、急きょ40人に増員。今月25日には第1陣が成田に降り立ち、顔を合わせる。

 ハーイ、アイム、オタク。アンド、ユー?(わたしはおたくです。おたくもですか)

 とか言って、肩を抱き合うのだろう。一行を乗せたバスは、ジブリ美術館(三鷹市)やポケモングッズの専門店(港区)を巡るほか、秋葉原、中野ブロードウェイに赴く。中野には「まんだらけ」というフィギュアやコスプレひしめく店がある。秋葉原とともに「オタクの2大聖地」と呼ばれる場所だ。

 ここはすごいことになっているゾ。次回、乞(こ)うご期待。

■東京国際アニメフェア■ 東京ビッグサイト(江東区有明)を会場とする日本最大のアニメ見本市。2002年から毎年3月に開催。国内外の約270社が参加。ブースで作品を流し、売り込んだり買い付けたり、商談が繰り広げられる。新進アニメ作家が作品をお披露目する晴れ舞台でもある。今年は27〜30日。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/feature/tokyo231203958795871_02/news/20080304-OYT8T00102.htm