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2008年03月03日(月) 11時57分

<志布志事件>無罪確定後も長官表彰返上せず 鹿児島県警毎日新聞

 03年の鹿児島県議選に絡む買収無罪事件(志布志事件)で鹿児島県警が同年、警察庁長官表彰を受け、被告12人全員の無罪が確定した後も表彰の返上や取り消しがされていないことが分かった。

 警察庁長官表彰は国の警察表彰規則で定められ、警察組織や警察官個人、捜査に協力した国民らが対象。県警の表彰理由は、県議選を含む統一地方選の選挙違反捜査が評価されたためとされる。

 捜査関係者によると03年12月、鹿児島市のホテルで、捜査員の慰労会を兼ねた受賞祝賀会が開かれ、県警幹部や検察関係者らが出席した。ある県警幹部は「表彰は(志布志事件だけでなく)選挙違反捜査全体の功労として受けたので、返上の必要はないと考えている」と話している。

 志布志事件を巡っては今年2月29日、県警が03年に志布志事件にかかわった警部補ら4人に本部長賞や刑事部長内賞を授与していたことが県議会で発覚。藤山雄治本部長は答弁で表彰を取り消す考えのないことを明言し、批判の声が上がっている。

【ことば】 志布志事件とは
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