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2008年03月02日(日) 08時01分

国交省の河川危機管理訓練 天下り財団独占受注 年3億円…高額随契産経新聞

 国土交通省の河川事務所が洪水などを想定して行う危機管理訓練を、同省OBの天下り先の財団「河川情報センター」(東京都千代田区)が随意契約で独占的に受注していることが分かった。契約額は年間25件で総額約3億円、1回の訓練で平均1000万円以上にのぼる。センターに訓練を委託していた東京都が民間企業に委託先を変えた結果、委託費は6割以下に抑えられた。高コストが裏付けられた形だが、国交省は「(センターは)ノウハウが確立されており随意契約に問題はない」としている。

 センター理事長は国交省の国土技術政策総合研究所長を最後に退官した同省キャリアの河川技官。平成19年4月現在で、センターの職員96人のうち36人が同省OB。

 センターが請け負う危機管理訓練は、台風や地震で堤防が壊れ、浸水したなどの事態を想定して行う。

 センター職員がマスコミや自治体、町内会関係者などにふんし、市町村からの支援要請など次々に状況を変えながら対応させるロールプレーイング方式が特徴だ。訓練後にセンターが改善すべき点をリポートにまとめ指摘する。

 1回の訓練費用は平均1000万円以上で、利根川上流河川事務所(埼玉県栗橋町)は16年度、4回の訓練で6300万円をセンターに支払った。

 センターによると、国交省河川事務所などからの受注は12年度から始まり、18年度の河川事務所などの分だけで25件、総額約3億円。いずれも随意契約で落札率(予定価格に対する落札額の割合)は99%台という。

 一方、河川沿いの自治体も同種の訓練を行っているが、12年度以降の7年間にセンターに委託した自治体は、東京都、横浜市など4件だけだった。

 13年度からロールプレーイング方式の図上訓練を外注している都は、13、14、16年度に単独や他県市と合同の訓練をセンターに委託。契約額は2952万〜5600万円だった。

 都は18年度以降、随意契約をやめ、競争入札により民間企業に委託している。民間委託の契約額は都単独の訓練で798万〜2800万円、8都県市合同訓練でも3150万円で、センターに委託するより6割以下の費用に抑えられたという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080302-00000051-san-soci