記事登録
2008年03月02日(日) 23時41分

ジミー佐古田元捜査官、三浦元社長の「共謀罪立証は固い」読売新聞

記者の質問に答えるジミー佐古田氏(ロサンゼルス郊外のホテルで)=金沢修撮影

 【ロサンゼルス=藤山純久】ロス疑惑「一美さん銃撃事件」を巡り、元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)が逮捕された事件で、1981年11月の事件発生時から捜査に携わったロサンゼルス郡検事局の元捜査官・ジミー佐古田氏(72)が1日(日本時間2日)、ロサンゼルス郊外で初めて記者会見した。

 佐古田氏は、米国には日本と異なり、犯罪を共犯者と事前に計画しただけで罪に問われる共謀罪がある点を強調して、「証拠はそろっており、共謀罪の立証は極めて固い」と指摘した。

 佐古田氏は88年5月に三浦元社長の逮捕状を請求した経緯に触れながら、「日本の検察にとって困難だったのは、共謀罪がなかったこと。共謀罪は状況証拠の積み重ねで認定される。当時から状況証拠は十分そろっていた」と説明。新証拠については「重要なことではない」と述べた。

 今回の捜査を担当している同市警のリック・ジャクソン捜査官らと頻繁に連絡を取っていることも明言したが、三浦元社長がブログに書きこんでいたサイパンへの渡航情報を同捜査官に最初に知らせたかどうかは「ノーコメント」。一美さん銃撃の実行犯を「わかっているかと尋ねられればイエスだが、知っていることと逮捕できることは別」と話した。

 2003年3月に元社長の無罪が確定した後も事件に関心を持ち続けてきた理由については、「一美さんの妹と両親に会い、心を打たれたからだ」と述べた。

 佐古田氏はロス市警の捜査員として捜査を主導し、85年にロサンゼルス郡検事局に移ってからも捜査を続けた。95年の勇退後は探偵事務所を開いている。

          ◇

 日本の裁判で主任弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士は2日朝、ジミー佐古田氏が共謀罪の成立を強調していることについて、「日本では共謀罪そのものはないが、共謀を含めて(無罪)判決があったと理解している」と強調した。佐古田氏が実行犯について言及した点も「まったく信用できない」と述べた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080225-1331217/news/20080302-OYT1T00418.htm