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2008年03月01日(土) 00時38分

<名誉棄損>東村山市議会の付帯決議で賠償命令 東京地裁毎日新聞

 東京都東村山市議会の付帯決議で名誉を傷付けられたとして、同市で民間保育園を運営する女性が市に500万円の賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は29日、名誉棄損を認め300万円の支払いを命じた。定塚誠裁判長は「付帯決議は一般市民を非難する特異な内容。市議会としては考えられない強い感情的確執、嫌悪感に基づいたことさえうかがわれる」と批判した。

 市議会は06年3月、一般会計予算案の可決に際し、保育園や女性を名指しして「市は良好な保育環境実現のため強く指導し、改善がない場合は都に認可再考を働きかけること」などの付帯決議をした。

 市側は、園児1人当たりの面積などが問題と主張したが、判決は「都の外郭団体から高い評価を得ており、他園より優れた保育環境にある」と退け、決議内容が真実とは到底認められないと認定した。

 保育園は開園の際も市議会に関連予算を削除され、訴訟と1年半の遅れを余儀なくされており、運営する女性は「市議会が目の敵にする理由は思い当たらず、理解に苦しむ」と話している。

 渡部尚・東村山市長は「一部主張が受け入れられず残念。対応は判決文を精査し検討したい」とのコメントを出した。【北村和巳】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080301-00000001-mai-soci