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2008年03月01日(土) 15時03分

暴力団に上納金、組長と養子縁組も 介護タクシー詐欺朝日新聞

 生活保護世帯の北海道滝川市の夫婦が2億円超の介護タクシー代金を不正受給した事件で、詐欺容疑で逮捕された片倉勝彦容疑者(42)が、山口組系の暴力団・花房組(旭川市)の組長と9年前に戸籍上の養子縁組を交わし、組側に月10万〜15万円の上納金を支払っていたことが道警の調べでわかった。少なくとも百数十万円の上納が確認されたというが、滝川市は生活保護の認定に当たり、親子関係をよく確認していなかった疑いがあるという。

 札幌地検は2月29日、片倉容疑者、妻ひとみ容疑者(37)、共謀のタクシー会社役員ら計4人を詐欺罪で起訴した。

 調べでは、片倉容疑者が組長の養子になったのは99年。当時は別々に逮捕された後、同じ留置場で過ごして意気投合していたという。片倉容疑者は直接の組員ではないものの、組関係者とは深い交流があり、自宅には花房組の名前にちなんだ「8723」ナンバーの車が多数止まっていたことも確認されている。

 調べでは、片倉容疑者夫婦は不正受給金で覚せい剤を購入して常用していたほか、13台の車やブランドの貴金属などを購入。温泉付きの高級マンションなど6軒を借りて住んでいたという。

 厚生労働省はこうした不正受給を許した滝川市の責任を重くみて、4分の3を占める国庫負担分の返還を市に請求することを検討している。滝川市幹部からは、仮に請求があった場合、市幹部や職員の給与から拠出する形で金を工面せざるを得ないという意見が出ている。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0301/TKY200803010134.html