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2008年02月29日(金) 15時11分

ロス市警捜査官、三浦元社長のブログを3年間監視読売新聞

三浦元社長の身柄確保についてインタビューに応じるジャクソン捜査官(28日)=金沢修撮影

 【ロサンゼルス=藤山純久】ロス疑惑「一美さん銃撃事件」で無罪が確定した元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)が米自治領サイパンで逮捕された事件で、捜査を指揮するロサンゼルス市警のリック・ジャクソン捜査官が28日、市警本部で読売新聞の取材に応じた。

 同捜査官は三浦元社長が開設しているブログのチェックを2005年に始めたことがサイパンへの渡航情報を得るきっかけになったと説明。1988年5月の逮捕状発付時に捜査にあたったロス郡検事局のジミー佐古田元捜査官らに、協力を求めていることも明らかにした。

 ロス市警「未解決殺人事件捜査班」に所属するジャクソン捜査官は、同班が扱っている数千件の未解決事件の中から81年11月の一美さん銃撃事件に着目した理由について、「2005年に日本からの情報で、三浦元社長がホームページを開設しているのを知り、頻繁にサイパンに渡航していることを知った」と説明。そのうえで「88年の逮捕状は現在も有効で、この事件が解決できなかったのは三浦元社長が日本にいたから。身柄を確保できる機会を探していた」「有罪に持ち込む十分な証拠がある」と強調した。

 同捜査官はサイパン渡航を知った時から佐古田元捜査官と連絡を取り合い、「最近は毎日電話で情報を交換して助言を得ていた」とも述べ、目撃者や関係者への再聴取を行ううえで、同じく当時の捜査を担当したロス郡検事局のルイス・イトウ元検事の協力も得て立件に全力を挙げる意向を示した。

 一美さん銃撃事件の証拠が極めて多数に上ることにも触れ、三浦元社長がロスに移送された場合でも陪審員による裁判が始まるまでに「最低1年から、長くて4、5年かかるだろう」と指摘。日本で注目されている「新たな証拠」については、「連邦捜査局(FBI)のことなどいろいろな『うわさ』が出ているが、多くは報道陣からの質問があるまで、私が聞いたこともない話だった」「今は語ることができないし、公判で明らかにする」と述べるにとどめた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080225-1331217/news/20080229-OYT1T00480.htm