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2008年02月29日(金) 20時21分

職安職員、1500万円詐取…架空の受給者になりすまし読売新聞

 茨城労働局は29日、雇用保険の失業手当などの受給者をでっちあげて業務用パソコンに入力し、約1533万円をだまし取ったとして、常陸鹿嶋公共職業安定所(茨城県鹿嶋市)の蔀宣明(しとみのりあき)雇用保険給付調査官(45)を同日付で懲戒免職処分とし、電子計算機使用詐欺容疑で茨城県警と水戸地検に刑事告発した。

 同局によると、蔀元調査官は、県内の職業安定所で雇用保険の給付業務に当たっていた2000年9月〜01年3月など延べ約1年半の間、業務用のパソコン端末を使って、自分の名前の読み方を変えるなどして、架空の9人の受給者になりすまし、これらの名義で開設した金融機関の口座に手当を不正に振り込ませていた。

 業務用端末は原則としてカタカナの氏名と生年月日、男女の別だけで受給者を管理しており、蔀元調査官は、かつて金融機関で自分の氏名を読み間違えられたことから、この手口を思いついたという。

 同局に昨年12月、蔀元調査官を名指しした匿名の投書が寄せられ発覚した。蔀元調査官は、「不正に得た金は、住宅ローンなどの返済や生活費に充てた」と話しているという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080229-OYT1T00640.htm