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2008年02月29日(金) 23時41分

<わいせつ物頒布>容疑のビデ倫審査員ら逮捕へ毎日新聞

 モザイク処理が不十分な成人向けのアダルトDVDを流通させたなどとして、警視庁保安課は、会員制の自主審査機関「日本ビデオ倫理協会」(ビデ倫、東京都中央区)の審査員と都内のDVD制作会社幹部の計数人をわいせつ物頒布とほう助容疑で近く逮捕する方針を固めた。ビデ倫の審査関係者が強制捜査を受けるのは初めて。 調べでは、制作会社幹部らは、モザイク処理が不十分なわいせつなDVD作品を制作。審査員は十分なチェックを行わないままビデ倫の審査を通して流通させた疑い。

 関係者によると、ビデ倫は04〜06年にかけ数回、「わいせつに関する社会通念が変化した」などとして、露出緩和の方向で審査基準を変更した。背景にはビデ倫の審査を受けずに制作する「インディーズ」と呼ばれる業者の台頭などで会員各社の販売が伸び悩んでいる事情があるとみられる。保安課は基準変更の経緯などについて調べている。

 警視庁は昨年8月、同社を含む制作会社2社の3作品について「男女の性交場面が確認可能なのに、審査基準を満たしていると判定した」として、この2社やビデ倫を家宅捜索していた。

 ビデ倫は昨年4月現在、DVD制作会社や出版社など映像制作にかかわる約100社が加盟。十数人の映像審査員が毎月作品の審査にあたっている。【曽田拓】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000171-mai-soci