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2008年02月29日(金) 10時00分

ロス疑惑 彩った あの人たちの「それから」日刊ゲンダイ

 ロス疑惑で日本中が騒然となった当時、連日のように三浦和義(60)の交際女性や関係者がマスコミを賑わせた。事件を彩った人たちは、それからどうなったのか——。

●元女優・Y(48)
 三浦の依頼を受けて一美さんをハンマー状のもので殴った、と殴打事件の全容を告白したのには驚かされた。
 85年9月に三浦とともに殺人未遂の罪で逮捕され、2年6月の実刑判決を受けた。出所後に結婚し、今では1女の母だという。
「10年ほど東京・六本木や銀座のクラブでホステスとして働いた後、02年頃から都心の繁華街にあるクラブのママを任されたそうです」(知人)
 メディアへの露出は3年前、週刊誌に「今となってはお話しすることもありません」と答えたきり。美貌は今も衰えていないのだろうか……。

●元駐車場経営者(56)
 銃撃事件の“実行犯”として起訴された。三浦のビジネスパートナーで、ロス郊外のすし屋に連れ立って現れていた。
 1、2審ともに「証拠不十分」として無罪となり、確定後に逮捕・起訴は違法として国に計1億4500万円の損害賠償を求めて提訴した。
「1審では原告の主張が一部認められ、国に約250万円の支払いが命じられたが、2審は請求を棄却されて逆転敗訴。06年1月に最高裁で敗訴が確定し、国から“冤罪”に対する償いは得られずじまいでした」(司法関係者)

●白石千鶴子さん(享年34)
「フルハムロード」取締役で、79年3月末、三浦より2日遅れでロスへ出発したまま行方不明となり、同年5月、ロス郊外で白骨死体で見つかった。遺体発見後、彼女の銀行口座から400万円余りを引き出していた三浦の行動が問題視された。
「84年3月、日本から届いた歯型写真が決め手となり、当初、“ジェーン・ドゥ88”と呼ばれた身元不明の変死体が彼女と断定された。当時は白石さんの死も疑惑として報じられたが、事件は未解決のままです」(捜査事情通)
 妹の死の真相究明を訴えていた姉は、今も嫁ぎ先のNYで暮らしているという。

●ジミー佐古田氏(72)
 日系3世でロス市警に26年間勤務。81年の銃撃事件の捜査に関わり、市警退職後にロサンゼルス郡地方検事局捜査官に抜擢。ロス疑惑の再捜査にあたり、しばしば日本のマスコミに登場した。
 97年の退職後は、カリフォルニア州で調査会社を経営している。日本の調査会社と業務提携しており、月に1度は来日。「討ち入りのスピリッツに感銘を受けた」として、必ず赤穂浪士の眠る泉岳寺を訪れるという。
 今回の電光石火の逮捕劇を受け、一部取材に「ロス市警が三浦を逮捕することは事前に知っていた」と意味深なコメントを寄せていた。

●高橋良典氏(59)
 84年1月、「疑惑の銃弾」連載の第1回を掲載した「週刊文春」の発売前日。テレビ朝日「トゥナイト」で、三浦に対するテレビ初のインタビューを実現させた。その後、三浦が数カ月間マスコミ取材を拒否したため、このインタビューが繰り返し放映された。
 高橋良典氏が当時を振り返る。
「当時、三浦は文春の取材に応じていなかったが、どんな記事が出るかは気にしていた。そこをうまく突いて、インタビューを行ったのです。すると、彼の証言に矛盾が見つかり、一気に疑惑を深めてしまった。あの時、理路整然と疑惑を否定していれば、一連の過熱報道もなかったはずです」
 現在はテレビ界から身を引き、月刊誌「がんサポート」の編集に関わっている。
「当時、捜査にあたっていたロス市警の広報官が『殺人には時効がない』と言っていたことを思い出しました」(高橋良典氏)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000007-gen-ent