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2008年02月28日(木) 00時05分

既存の証拠で立証可能 ロス銃撃事件で検察当局者中国新聞

 【ロサンゼルス27日共同=堀越豊裕】米ロサンゼルスで一九八一年に起きた銃撃事件での殺人容疑などで逮捕された元会社社長、三浦和義容疑者(60)をめぐる司法手続きについて、ロサンゼルス郡検察のサンディ・ギボンズ広報担当者は二十六日、共同通信に対し、新証拠がなくても既存の証拠で裁判での立証は十分に可能との見解を明らかにした。

 ギボンズ氏は、日本で注目されている新証拠について「ロス市警が新証拠を持っているとは思わない。証拠は(一九八八年に)逮捕状を請求した際のもので十分だ」と語った。市警のすべての証拠を検察が把握した上での発言かどうかは明らかでない。

 ギボンズ氏自身は捜査に直接関与していないとみられるが、郡検察の公式な見解を示す立場。日本にはない共謀罪が適用されていることも踏まえ、立証に自信を示した。

 新証拠については、ロス市警は二十五日の記者会見では「ノーコメント」に終始。その上で、日本の検察も三浦元社長を起訴する段階で十分な証拠があったはずだとし、日本に共謀罪がないことが無罪判決につながったとの認識を示した。

 またギボンズ氏は、三浦元社長がロサンゼルスへの移送後に保釈を認められる可能性については、極刑の可能性もある点などを踏まえ「絶対にない」と説明。検察が死刑を求刑するかどうかについては「まだ決まっていない」と述べた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802280089.html