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2008年02月28日(木) 09時54分

生活保護費詐取、暴力団の上納金に 組事務所を捜索産経新聞

 北海道滝川市の生活保護世帯の夫婦が、通院時の介護タクシー代などの生活保護費約2億円を市からだまし取ったとされる事件で、詐取金の一部が旭川市内の指定暴力団山口組系旭導会に流れていた疑いが強いことが27日、道警の調べで分かった。道警は、夫婦が、不正受給した生活保護費を暴力団への上納金に充てていたとして、詐欺容疑で旭導会やその下部組織の事務所など十数カ所を家宅捜索した。

 道警は詐欺容疑で元暴力団組員で無職、片倉勝彦(42)と妻、ひとみ(37)の両容疑者ら4人を逮捕。片倉容疑者らはだまし取った金を札幌・ススキノなどでの飲食代に使ったほか、覚醒(かくせい)剤や高級外車の購入費に充てていたことが、これまでの道警の調べで判明している。

 その後の調べで、詐取金のうち数千万円の使途不明金があることも判明。関係者の供述などから道警はこのうち、少なくとも百数十万円が暴力団に上納金として流れたとみている。

 旭導会事務所ではこの日午前10時ごろから、段ボールなどを手にした十数人の道警の捜査員が捜索に着手。関係資料などを押収した。

 道警は、片倉容疑者らを追及するとともに、押収資料の分析や関係者からの事情聴取を通じて、金の流れや上納についての暴力団との関係など実態の解明を進める。

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【産経抄】2月11日

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