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2008年02月28日(木) 20時54分

移送めぐる攻防焦点に 三浦容疑者逮捕から1週間中国新聞

 【サイパン(米自治領)28日共同】米ロサンゼルスで一九八一年に起きた銃撃事件で、元会社社長、三浦和義みうら・かずよし容疑者(60)がサイパンで逮捕されてから二十八日で一週間。カリフォルニア州への身柄移送を元社長が拒否し続けるのか、捜査・司法当局との攻防が今後の焦点だ。

 逮捕時には殺人、共謀の罪とは別に逃亡罪も適用されていたことが二十七日までに判明。三月三日に予定される地裁での審理をはじめ、サイパンでは五、十の両日に逃亡罪をめぐる司法手続きが控えている。しかしサイパンの検察当局者も「抵抗するなら元社長側に打つ手はいろいろあり、時間がかかる」と認めており、ロサンゼルス市警が求める身柄移送のめどが立たない状況も予想される。

 二十二日逮捕された三浦元社長の身柄について地元検察は当初、速やかな移送が可能でロス市警の担当者が近くサイパン入りする予定だとしていた。だがその後逮捕に不満を示す元社長が求めた公選弁護人の選任可否をめぐる手続きが長引き、移送に向けた動きは停滞した。

 検察筋によれば元社長が同意した場合、逃亡罪を取り下げる選択肢も出てくるという。

 移送手続きにはカリフォルニア州知事からサイパンがある北マリアナ諸島知事への要請が必要。サイパン側の当局者は「要請を待つしかない」と口をそろえる。

 関係者からは「小さなサイパン島で重大事件に対応できる弁護人はほとんどいない。真剣に争うつもりなら、お金の問題ではなく、カリフォルニア州の弁護人を雇うべきだ」との声も上がっている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802280243.html