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2008年02月28日(木) 03時10分

水増し請求「山田洋行」、防衛省に未払い分12億円を督促読売新聞

 防衛専門商社「山田洋行」(東京都港区)が、防衛装備品の代金計約12億4000万円の支払いを防衛省から受けていないとして、東京簡裁に支払い督促を申し立てていたことがわかった。

 民間企業が国に督促を申し立てるのは異例。山田洋行を巡ってはこれまでに同省への水増し請求が発覚しており、同省は未払い分について、「水増し請求がないかどうか確認中」などとしている。今後、同省が支払い督促に異議を申し立てることになれば、民事訴訟に発展する可能性もある。

 関係者によると、山田洋行が支払い督促を申し立てているのは、航空自衛隊の次期輸送機(CX)のエンジン2台と、海上自衛隊の哨戒ヘリなどに搭載するミサイル警報装置の売買代金の一部。ミサイル警報装置は納入済みで、1億円余りの未払いがある。CXエンジンはまだ納入していないものの、昨年、輸入した際に米メーカーに前払いした分の支払いを求めている。

 同社は再三代金の支払いを要請したが、受け入れられなかったため、今月中旬、法的措置に踏み切った。一方、同省は読売新聞の取材に「支払期日は過ぎていないと認識している」とし、「過大請求や水増し請求がないかを確認したうえで支払うべきものは支払うが、督促状への対応はまだ決めていない」と話している。

 防衛装備品を巡っては、同社が過去5年分の契約116件のうち12件で、計約2億5000万円の水増し請求を行っていたことが判明している。同社幹部は「水増し請求分を未払いで相殺しようとしているのでは」と推測している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080227-OYT1T00736.htm?from=main3