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2008年02月28日(木) 06時01分

三浦元社長キレた「私は逃亡犯じゃない」…ロス銃撃事件スポーツ報知

 1981年に米ロサンゼルスで起きた銃撃事件で、殺人容疑などにより米自治領サイパン島で逮捕された会社元社長・三浦和義容疑者(60)が27日午前、同島の裁判所に出廷した。公費で弁護士を付けるかを決める審理で三浦元社長は裁判官の「逃亡犯」という言葉に強く反応。「わたしは『逃亡犯』じゃない」と身を乗り出して抗議した。今後は、3月3日に身柄移送など今後の手続きについての審理が開かれ、同5日にも予備審理が行われる予定だ。

 三浦元社長が、「逃亡犯」との言葉にキレた。審問中、ワイズマン裁判官と検察官との間で「逃亡犯の身柄引き渡し」というやりとりが交わされると、三浦元社長は態度を豹(ひょう)変させ、身を乗り出して猛然と反論した。

 「今、『逃亡犯』と? わたしはアメリカから逮捕状が出ているなんてことは、(身柄が拘束された)1週間前にエアポートで初めて聞くまで1回も聞いていませんし、逃亡なんてしていません!」

 その後、裁判官から「今はその話をするときではない。あなたに不利になるかもしれない。弁護人と話すことだ」とたしなめられると、三浦元社長は不満そうな表情でイスに深くかけ直した。

 三浦元社長はこの日、開廷30分前に大勢の警備職員に囲まれ、収容者用のオレンジ色のつなぎ服姿で正面入り口から裁判所に入った。約100人の報道陣がフラッシュと質問を浴びせたが、問いかけには一切応じることはなく、顔を少しゆがめながら入廷した。

 三浦元社長は25日の審理で「年収は妻のビジネスで3万ドル(約320万円)。私には収入がない」として、公選弁護人の選任を強く希望していた。

 しかしワイズマン裁判官はこの日、「クレジットカードも使用するなど、一定の資産を持っており、18歳未満の子どももいない」として、「公選弁護人をつける資格はない。公選弁護人制度は、貧しくて私選弁護人を絶対に雇えない人の制度」と要請を退けた。関係者によると、サイパン島では一般に公選弁護人を付けられるのは、月収1000ドル(約10万6000円)以下の人々だという。

 三浦元社長は今後、私選弁護人の選定を早急に行うことになる。ただ別の関係者によると「私選の場合、敏腕弁護士ならば100万ドル(約1億600万円)ほどかかる」という。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080228-OHT1T00127.htm