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2008年02月27日(水) 20時15分

滝川生活保護費詐欺、暴力団へ4000万?読売新聞

捜索を終え旭川市の旭導会本部から押収した資料を運び出す捜査員(27日午前11時)

 北海道滝川市の元暴力団組員らが、同市から計約2億円の生活保護費をだまし取っていた事件で、旭川市の指定暴力団山口組系旭導会側に詐取金の一部が流れていたことが27日、道警の調べでわかった。詐取金のうち約4000万円が使途不明で、元組員は過去に同会系組織に所属していたことなどから、道警では不正受給した生活保護費が暴力団の資金源になっていたと判断。詐取金の使途について元組員らを追及するとともに、詐欺容疑で同会の本部事務所などの一斉捜索を行った。

 道警の調べによると、詐欺容疑で逮捕された元暴力団組員、片倉勝彦被告(42)(覚せい剤取締法違反の罪で公判中)は、生活保護費のほか、札幌市の介護タクシー会社役員らと共謀して生活保護受給者に認められている通院時のタクシー料金など計約2億円を詐取。同被告が手にした約7500万円のうち、約3000万円は札幌・ススキノなどでの遊興費、ドイツ製高級外車の購入費などに充てていたことが判明したが、残る約4000万円については使途が分かっていなかった。その後の捜査で、道警は介護タクシー会社の銀行口座の送金状況や供述などから、片倉被告側から同会に約180万円が流れていたことを突き止めた。

 同被告は同会構成員と交友関係があり、覚せい剤を入手するなど現在も暴力団と密接なつながりがあることから、道警では、同被告側から定期的に詐取金が渡っていた可能性が高いと判断。今後、同会の関連先から押収した資料の分析を進め、暴力団側に流れた資金の全容解明を目指す。

 道警によると、旭導会は山口組の2次団体で構成員は約400人。旭川市などを拠点に活動しており、道内では2番目の規模。

 旭導会本部では27日午前10時ごろ、道警の捜査員約20人が捜索を開始した。捜査員は段ボール箱を手に、次々と黒い外壁の物々しい外観の事務所内に入っていった。また、道警はこの日、同会の傘下団体の組事務所の捜索も行った。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20080227-OYT8T00353.htm