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2008年02月27日(水) 12時54分

未成年の携帯フィルタリング、モバイル業界にとっては大打撃?——ネットエイジア調べjapan.internet.com

モバイルリサーチを展開するネットエイジア株式会社は、「携帯電話フィルタリングサービス」についてのモバイルリサーチを実施、2008年2月26日、その結果を発表した。

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調査対象は全国の13歳〜17歳の中学生・高校生ユーザー394人。男女比は、男性41.9%、女性58.1%。学年別では、中学1年生7.6%、中学2年生11.9%、中学3年生18.5%、高校1年生30.5%、高校2年生31.5%。キャリア内訳は、NTT ドコモ54.8%、au 30.2%、ソフトバンク15.0%。調査期間は、2008年2月21日〜22日の2日間。

「ケータイを利用している中で、架空請求や、ネットで知り合った人から受けた嫌な思いや怖い思いをしたことがありますか?」との質問に対して「ある」と回答したのは全体で26.1%。中学生では21.3%、高校生では28.9%となっている。

経験した嫌な思いや怖い思いを自由回答で聞いたところ、架空請求や迷惑メールについての回答が多かったが、「一般サイトに登録したはずが出会い系サイトにも勝手登録されてしまっていて、誘いのメール沢山きた」「サイトを通してメールをしていて直接メールをしようとしつこく送られてきた」などの経験談があった。

フィルタリングサービスは、未成年者が有害サイトにアクセスすることを防ぐことを目的としているが、実際に有害サイトにアクセスした経験を聞いたところ、「アダルト」については27.7%がアクセス経験ありと回答した。その他は「出会い・援助交際」10.2%、「グロテスク・暴力」9.9%、「いじめ」7.1%、「自殺」3.8%となっている。

また、ケータイのインターネットの利用に関し「親から使える時間や使えるサイトを決められている」割合は10.2%で全体の9割は自由にアクセスできている現状が浮かび上がった。特に高校生では94%が制限なしで利用している。

フィルタリングサービスの内容と実施については、回答者の74.6%が理解していた。フィルタリングをかけられ、SNS や掲示板、アバターなど、コミュニケーション系コンテンツが「利用できなくなるとかなり困る」と回答したのは45.7%、「少し困る」31.8%と合わせると全体では77.5%が困るとの回答だった。

実際に自分のケータイがフィルタリングをかけられた場合の対応方法を聞いたところ、「親に頼んで解除手続きをしてもらう」が51.8%、「解除手続きをしてもらいたいが、がまんする」が16.2%、「安心し使える」との解除しない派は6.3%だった。また23.6%は「わからない」と回答し対応を迷っているようだ。「親に頼んで解除手続きをしてもらう」という回答者のうち、解除について「親が許してくれると思う」と答えたのは60.3%となっている。こうしてみるとフィルタリング対象のうちで、フィルタリングを解除しケータイを利用する割合は全体で3割程度となる。

フィルタリングをかけられた場合の「ケータイのインターネットの利用時間、頻度の変化」を聞くと「かなり減る」との回答が35.3%、「半分ぐらいに減る」が15.2%、「少し減る」24.1%で減るとの割合が合わせて74.6%となった。「変わらない」は23.6%、「安心だから増える」は1.8%となっている。

今回、ケータイでの1日のネット利用時間も聞いているが、利用時間別にフィルタリング後の利用変化を見ると「4時間以上」の利用者では「かなり減る」51.4%、「半分ぐらいに減る」38.6%、「1時間〜3時間」利用者では「かなり減る」38.6%、「半分ぐらいに減る」17.2%、となっており、インターネット利用の多いユーザーほど減少する傾向が顕著になっている。実際にフィルタリングサービスが18歳未満に適用されると、コンテンツ事業者、キャリア、モバイル広告業界にとっては大きな打撃となりそうだ。



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