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2008年02月27日(水) 23時02分

三浦容疑者の移送請求 「立証可能」とロス検察中国新聞

 【サイパン、ロサンゼルス27日共同】米ロサンゼルスで一九八一年に起きた銃撃事件で、サイパンの検察当局は二十七日、殺人容疑などで逮捕された元会社社長、三浦和義容疑者(60)をカリフォルニア州に移送するよう求める書面を提出した。サイパンの地裁は元社長が収入がないとして求めていた公選弁護人の選任を認めなかった。

 地裁は身柄移送など今後の全体の手続きをめぐる審理を三月三日に開き、元社長に説明することを決定。検察官は閉廷後、身柄移送の時期について「次回の審理まではない」などと説明した。

 一方、移送後について、ロサンゼルス郡検察のサンディ・ギボンズ広報担当者は二十六日、共同通信に対し、新証拠がなくても既存の証拠で裁判での立証は十分に可能との見解を明らかにした。

 ギボンズ氏は、日本で注目されている新証拠について「ロス市警が新証拠を持っているとは思わない。証拠は(一九八八年に)逮捕状を請求した際のもので十分だ」と語り、日本にはない共謀罪が適用されていることも踏まえ、立証に自信を示した。

 元社長がロサンゼルスへの移送後、保釈を認められる可能性については、極刑の可能性もある点などを指摘し「絶対にない」と説明。検察が死刑を求刑するかどうかについては「まだ決まっていない」と述べた。

 サイパンの地裁は公選弁護人の選任が認められない理由について、元社長の資産状況などを検討した結果と説明。逃亡犯の引き渡しという特殊なケースであるとして次回までに弁護人を選任するよう求めた。ワイズマン判事は「公選弁護人の制度は、貧しくて私選弁護人を絶対に雇えない人の制度」と述べた。

 三浦元社長は二十七日の審理で「米国で逮捕状が出ているのは、逮捕されるまで知らなかった」と述べ、逃亡していたわけではないと主張した。

【写真説明】サイパンの裁判所で法廷に向かう三浦和義容疑者(共同)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802270343.html