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2008年02月27日(水) 11時22分

ロス疑惑 三浦容疑者に「公設弁護人を使用する資格はない」産経新聞

 【サイパン=荒井敬介】「ロス疑惑」の銃撃事件で、殺人容疑などで逮捕された会社役員、三浦和義容疑者(60)の弁護人選任に関する審理が27日午前11時(日本時間午前10時)、サイパンの北マリアナ上級司法裁判所で開かれた。デイビッド・ワイズマン裁判官は「資産状況などを十分に検討したが、公設弁護人を使用する資格はない」と、三浦容疑者が望んだ公設弁護人の選任要請を却下した。

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 ワイズマン裁判官は、三浦容疑者の資産状況やクレジットカードを使用してる点、18歳以下の子供がいないことなどを挙げ、「公設弁護人は貧困で弁護人を雇えない人のための制度で、(三浦容疑者には)資格がない」と要求を退けた。
 三浦容疑者は25日の審理で「年収は妻のファッションビジネスで3万ドル。私には収入がない」と公設弁護人の選任を希望していた。
 ワイズマン裁判官が今後の審理日程について言及した際、「今回は逃亡犯の身柄引き渡しという特異ケース」と述べたことについて、三浦容疑者は「逃亡犯と言ったが、私は(ロサンゼルス市警から)逮捕状が出ていることを(身柄が拘束された)1週間前のエアポートで初めて知った。逃亡なんてしていません」と詰め寄る場面もあった。
 開廷前から裁判所前には多くの報道陣が詰めかけた。留置人が着用する蛍光オレンジ色のつなぎ服姿の三浦容疑者は係官に囲まれながら、裁判所正面玄関から傍聴席側から入廷。口を真一文字に結び終始無言だった。
 審理終了後には、ワイズマン裁判官から報道陣に対し、「日本において重要事件だと理解しており、サイパンに来て訴訟手続きに参加することを歓迎するが、写真撮影などで裁判所担当官の仕事を邪魔をするような行為はしないでください」と注文があった。
 一方、サイパンの裁判所は27日、三浦容疑者のカリフォルニア州への身柄移送などの今後の手続きについて、3月3日に審理することを決定した。

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