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2008年02月26日(火) 22時30分

予想外の逮捕 三浦容疑者「サイパンは米国ではないと思った」産経新聞

 【サイパン=荒井敬介】ロス疑惑事件で、日本の在サイパン出張駐在官事務所の係官が26日、殺人容疑などで逮捕された会社役員、三浦和義容疑者(60)と面会。三浦容疑者は係官に対し、「サイパンは米国本土ではないからそういうこと(逮捕など)はないと思った」と、逮捕が予想外だったことを明らかにした。また、焦点となっている米本土への移送に同意するかについては「結論は出ていない」と述べた。

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 面会は、良枝夫人が差し入れを頼んだことから行われ、留置施設での待遇の確認を中心に午後2時(日本時間午後1時)から約1時間にわたり会議室で実施された。テーブルをはさみ係官3人と面会した三浦容疑者はTシャツ姿で、「時折笑みも見せリラックスしたように感じた」(係官)。

 この中で、三浦容疑者は逮捕された当時の心境について触れ、「米本土はああいうこと(銃撃事件が)があったから避けていたが、サイパンは米国ではないと思っていた」と、米国の警察権が及ばないとの認識だったことを明らかにした。

 三浦容疑者は25日に地元裁判所で開かれた尋問内容についても言及。「(米本土への移送に関する)同意、不同意の話はすべて日本の弁護団と連絡を取り合っている。結論は出ていない」と明言を避けた。尋問では公選弁護士にするか私選弁護士を雇うかも問われたが、「公選にしたい。金銭的に弁護士は雇えない」と話したという。

 当初、三浦容疑者は留置施設の環境に不満を漏らしていたが、「外国人でも平等に扱ってもらっており、待遇には満足している。留置所の担当者も自分の言いたいことを理解しようとしている」と語ったという。

 面会した係官によると、留置施設は1人1室で施設内であれば自由に行動が可能。希望すればシャワーも好きな時間に浴びられるほか、外部に電話を自由にかけることができる。この日は健康診断も実施されたが、結果は良好だった。

 留置施設付近では日本から多数の報道陣が押し寄せているが、三浦容疑者は「自分がサイパンに来たことでこんなことになり、留置施設の職員や周辺住民に迷惑をかけているのは心苦しい」とも話していたという。

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