記事登録
2008年02月26日(火) 22時52分

日教組への謝罪なし プリンスホテル会見 使用拒否問題朝日新聞

 日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会をめぐり、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が、いったん予約を受けた会場の使用を拒んだ問題で、ホテル側が26日、初めて会見を開いた。宿泊客やホテル周辺への「安全」を重視したことを繰り返し、会場使用を認める司法判断に従わなかったことや日教組への謝罪はなかった。

記者会見で、ホテルと周辺の地図を示しながら質問に答えるプリンスホテルの渡辺幸弘社長(右)と、西武ホールディングスの後藤高志社長=26日午後、東京都港区で

 会見したのは、各地のプリンスホテルや西武鉄道を統括する西武ホールディングスの後藤高志社長や、プリンスホテルの渡辺幸弘社長ら。

 ホテル側には400通ほどの意見が届き、うち賛同は130通ほど。残りは「集会の自由をおかすのはおかしい」などの批判だったという。後藤社長は「憲法論議をするつもりはない。ホテル業としての安心安全を考えることも道義的責任と考える」と説明した。

 山田明文・顧問弁護士は、日教組側がどれほど混乱を招くか説明を事前に十分にしなかったという民法上の説明義務違反があると主張。他の客に迷惑をかける場合は利用規約上、解約できるとし、会場使用を認めた仮処分について「正しいとは思っていない。日教組が11月まで何の説明もしてこないのは異常。裁判所にもそこを分かってほしい」と述べた。

 日教組はこれに対し、「右翼の街宣車が例年来ていることや、警察に警備を依頼していることは、契約の段階からホテル側に説明している」(広報担当)と話す。

 一方、ホテルは組合員の宿泊も断っており、港区は旅館業法違反の疑いで調査中。渡辺社長は「宴会場と一体となった宿泊なのでお断りした」とこれまでの説明を繰り返した。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0226/TKY200802260460.html