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2008年02月26日(火) 14時29分

捜査20年「事件に精通」…ロス市警捜査官読売新聞

記者会見場を後にする、ロサンゼルス市警のジャクソン捜査官=金沢修撮影

 日本で無罪が確定した事件を担当していたのは、「20年も捜査にかかわっている」というロサンゼルス市警のベテラン捜査官だった。

 ロス疑惑「一美さん銃撃事件」で、元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)を逮捕してから4日目となった25日午前(日本時間26日早朝)、ロス市警が初めて行った記者会見。捜査官は、2、3年前から三浦元社長逮捕の準備を進めていたことを明らかにしたが、わずか約15分の会見では、連邦捜査局(FBI)が日本側に説明したという「新たな証拠」の内容は語らなかった。

 【ロサンゼルス=飯田達人、藤山純久】「日本の捜査当局がロスに来ていたころから捜査を担当し、事件には精通している」——。

 1981年8月の一美さん殴打事件の現場にも近いロス市警。同市警「未解決殺人事件捜査班」のリック・ジャクソン捜査官は、100人を超える報道陣を前に、日本の捜査当局がロス市警などと本格的な捜査協力を始めた88年から事件を担当していると説明した。

 現在は、この事件の主任捜査官という立場。殴打事件の3か月後、同じロス市内で一美さんが銃撃され、1年後に死亡した事件に執念を燃やす理由を、「この事件は明らかに重要。一美さんや彼女の家族の思いに報いるためだ」などと語った。

 今回、三浦元社長を逮捕する根拠となったのは、88年5月に発付された逮捕状。三浦元社長が捜査線上に浮上した理由について、「近くの高層ビル内から目撃された実行犯の車と、三浦元社長の証言が異なっていたため」と当時から明らかになっていた目撃証言を挙げる一方、日本で注目を集めている「新たな証拠」の存在や現在の捜査の進行状況は、「コメントできない」などと慎重な言い回しに終始した。

 起訴の見通しについても「本件は明らかに重要事件であり、裁判を開いて、陪審員が結論を下すべきだ」と語り、三浦元社長がロサンゼルスに渡航し、ロス市警と接触したとの情報については、「把握していない」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080226-OYT1T00394.htm