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2008年02月26日(火) 11時19分

<三浦元社長>未解決事件班の捜査官が「執念」語る毎日新聞

 【ロサンゼルス和田浩明】「三浦容疑者は最初から焦点だった。いつもこの事件の捜査を進めようと思っていた」。元輸入雑貨販売会社社長、三浦和義容疑者(60)を妻一美さん殺害と共謀容疑で逮捕したロサンゼルス市警。事件を担当して20年になる未解決事件班のリック・ジャクソン捜査官は、25日の会見でその「執念」を語った。「ミウラ夫人と彼女の家族は正義を受け取るのが当然だ」。被害者への熱い思いが長い捜査を支えた。

 同捜査官は同市警の未解決殺人事件班が01年11月に創設されて以来のメンバー。昨年2月にも10年前の女性殺人事件で容疑者逮捕にこぎつけた。

 今回、同市警は88年5月に発行された逮捕状をそのまま執行した。同捜査官らは、数年前から刑事訴追のため三浦元社長の身柄確保を目指し、01年に出所した三浦元社長の動向について情報収集を行っていた。元社長が頻繁に海外旅行に出ているという情報をキャッチ。身柄引き渡しが容易なサイパンのような米国の自治領での逮捕を狙って網を張った。

 ロス銃撃事件については「担当してきた多数の中でも大きな事件。我々は法的に正義をもたらす立場にあるのだから、この事件は裁判にかけ、陪審の判断を受けるべきだ」と明言した。

 発生当時からロス疑惑を取材していたという元NBCテレビのピート・ノイス氏(77)は「過去の未解決事件でも、新証言を得て解決したケースがある。今回もそうではないか」と推測した。

 約20年ぶりの逮捕状執行で、新証拠の浮上が取りざたされている。同捜査官は「ノーコメント」を通す一方、新証拠がなくとも理論的には立件は可能だとの認識を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080226-00000034-mai-soci