記事登録
2008年02月26日(火) 06時01分

三浦容疑者、保釈されず反論…「何十年も前のことだ」スポーツ報知

 米ロサンゼルスで1981年に起きた銃撃事件で、殺人容疑などにより米自治領サイパン島で逮捕された三浦和義容疑者(60)の保釈の可否に関する審理が25日午後(日本時間同)、同島の裁判所で開かれ、裁判官は保釈を認めない決定をした。三浦容疑者はオレンジ色のつなぎ姿で出廷。「何十年も前の事件で証拠隠滅の恐れはない」と反論した。 「何十年も前にフリーズしたケース(事件)で、証拠隠滅の恐れはない」—。サイパンでの逮捕後初めて行われた審理で、三浦容疑者は日本語で保釈を求めた。「私にはパスポートもないから逃亡の恐れもない」とも主張。しかし、訴えは直ちに却下された。

 検察側は容疑が殺人などであることから、保釈を認めないよう主張。これに対し三浦容疑者の弁護士は「逮捕は違法」として保釈を求めたが、ワイズマン判事は認めなかった。

 蛍光オレンジ色のつなぎ服、明るい茶色に染めた髪に日焼けした顔の三浦容疑者は、やや疲れた様子。午後1時半にスタートした審理には落ち着いた様子で入廷し、判事から「殺人と共謀罪に問われている」と逮捕理由を告げられた。

 黙秘権の行使などについて丁寧な説明を受け小さくうなずいた三浦容疑者。しかし保釈を却下され「ほかに言いたいことはないか?」と判事から尋ねられると、強い口調で通訳への不満を表明した。「この法廷で何が起こっているのか理解できない」「公正にやってほしい」

 ほおづえをついて黙り込む判事に、やや上ずった声で「ちゃんと時間を取って」とたたみかけると、法廷はいったん休廷に。幕開けから波乱含みの法廷は午後2時半、通訳が交代して再開した。

 裁判所から私選弁護人をつけるよう求められたが、三浦容疑者は公選の弁護士を希望。「妻の年収は3万ドル。私には収入がない」と反論すると傍聴席の妻が呼ばれ、説明を求められる場面があった。裁判官は家族の年収などを考慮して判断を下す。

 サイパンの検察当局者は、三浦容疑者のカリフォルニア州への移送手続きを巡り、ロス市警の担当官が数日中に現地入りすることを明かした。裁判所は移送の可否に関する審理の期日を暫定的に3月5日に設定。ロス市警は今回の逮捕に関する記者会見を25日午前(日本時間26日未明)に開く方針だ。

 この日のサイパンは雨。裁判所には日本の報道陣ら50人以上が詰めかけ、傍聴席はほぼ満員になった。出入り口や裏の通路付近を、それぞれ十数台のカメラが見守った。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080226-OHT1T00049.htm