記事登録
2008年02月26日(火) 01時05分

<三浦元社長>声荒らげ「なぜ保釈されない」通訳者も変更毎日新聞

 【サイパン宮川裕章】約27年前のロス銃撃事件で逮捕された元輸入雑貨販売会社社長、三浦和義容疑者(60)に対する司法手続きが25日、サイパンで始まった。日本では03年、最高裁で無罪が確定した事件。「なぜまた逮捕なのか」「きっとロス市警は立件してくれる」。支援者や被害者の親族に複雑な思いが広がった。

 保釈の可否を審理するサイパン島中心部、ススペ地区の高等裁判所。「なぜ保釈されないのか。このケースは古いケースで、証拠隠滅の恐れも、逃亡の恐れもない」と声を荒らげる三浦元社長。当初は傍らにいた通訳を通じ「ハイ、サンキュー」と礼を言うなどの余裕もあったが、「公平な裁判のためにちゃんとした通訳をしてほしい」と次第に不満を訴え、裁判所が一時休廷して別の通訳に変更する事態になった。

 求められていないのに「発言してもいいか」と尋ね、拒否される場面もあった。

 さらに、収入がないとの理由で私選弁護人を選ばなかった。

 資金的余裕があるとみて私選弁護人の選任を求める裁判官と、費用が負担できないと公選弁護人を要求する元社長との間で主張は平行線をたどった。

 三浦元社長が「自分は無職で収入がない」と言うと、裁判官は「給料がないのか」「本当か」と繰り返し質問。元社長が「妻が仕事をしている」と答えると、裁判官は妻の年収を詳しく尋ねた。

 ついには、裁判官が傍聴席にいた妻に確認を求めた。証言台に立った妻は「1年に1度の家族旅行でサイパンに来た。自分の会社には借入金があり、弁護人を雇う費用が出せるかどうか分からない」と、窮状を訴えた。

 審理終了後、法廷から出た妻を報道陣が取り囲み、一斉に階段を駆け下りるなど、一時騒然となったが、妻は無言のまま1階の別室に姿を消した。

 関係者によると、弁護人選任の議論は法廷から別室に持ち込まれた。三浦元社長は家族との面会が認められていないが、この場では妻と同席して協議したという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080226-00000003-mai-soci