記事登録
2008年02月26日(火) 08時01分

三浦容疑者 反論、強気崩さず 「逃亡の恐れもない」産経新聞

 27年前、米ロサンゼルスで妻だった一美さんを銃撃した事件で、米自治領サイパンで逮捕された三浦和義容疑者(60)が25日、身柄拘束されてから3日ぶりに公式の場に姿を現した。サイパンの裁判所。「私にはパスポートもないから逃亡の恐れもない」。三浦容疑者は、語気を強めて反論した。ロス市警が持っているとされる「新たな証拠」。東京では、日本の刑事裁判の弁護人だった弘中惇一郎弁護士らが「そんなものあるはずがない。何ですか」と三浦容疑者の“肉声”を明らかにした。

                   ◇

 【サイパン=荒井敬介】三浦容疑者の尋問は午後1時半(日本時間午後零時半)から始まった。日焼けした顔に留置者用のオレンジ色のつなぎ服を着ていた。隣には通訳がついた。

 「二十何年前のケースで証拠隠滅の恐れはない。パスポートもなく、逃亡の恐れもないのになぜ保釈できないのか」。日本語で保釈を求めたが認められず、身振りを交えて反論した。

 弁護人選定など拘置の可否を決める上で重要な「収入」の質問が相次いだ。

 裁判官「働いてますか」

 三浦容疑者「ミー(Me)? ノー(No)」

 裁判官「年収は?」

 容疑者「妻がファッションビジネスをしており3万ドル(約324万円)はある」

 裁判官「あなたは今収入がない」

 容疑者「YES。ただサイパンの3万ドルと日本の3万ドルとでは全然(価値が)違う」

 開廷から30分過ぎ。三浦容疑者が怒りをあらわにした。検察側が説明を始めたころ、突然声を上げ裁判官に抗議した。

 「僕自身、何が進行しているのかわからない。私に説明する時間をとって、公正さを求めたい」。通訳が間に合っていないことに立腹したようだ。途中で通訳が交代したり、傍聴席の妻が呼ばれる場面もあった。

 尋問は午後3時(同2時)ごろに終了。三浦容疑者は報道陣にもみくしゃにされながら法廷を出た三浦容疑者は口を真一文字に結び、問いかけにも言葉はなかった。妻は目頭を赤くしていた。

 三浦容疑者の事件はサイパンでも話題となっており、現地紙は1面トップで「日本人ビジネスマン妻殺害」と伝えた。関係者によると、三浦容疑者は国際空港から北西約3キロの中心街ススペにある警察署の隣の留置施設に入っており、5平方メートルの2人部屋という。

【関連記事】
「一事不再理に支障なし」 ロス市警会見
三浦和義容疑者を2、3年前から捜査 ロス市警会見
三浦和義容疑者に1988年の逮捕状を執行
【主張】ロス疑惑 時効の壁も問われている
万引公判は当面延期 サイパンで逮捕の三浦容疑者

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080226-00000080-san-soci