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2008年02月26日(火) 06時12分

二重計上認め謝罪 相沢宮城県議パーティー支出河北新報

 前宮城県議会議長の相沢光哉県議が2004年8月に開いた政治資金パーティーをめぐり、発行番号が同じで日付の異なる2枚の領収証が同氏の政治資金収支報告書と県議会政務調査費(政調費)支出報告書に1枚ずつ添付されていた問題で、相沢氏は25日、県庁で記者会見し、同氏の事務所職員が1枚の領収証を改ざんし、二重計上したことを認めて謝罪した。

 相沢氏は問題の責任を取り、仙台市民オンブズマンが不適正支出だとして仙台地裁に返還訴訟を起こした県議会の04、05両年度の政調費のうち、同氏対象分の全額を返還する意向を示した。同氏は金額の確認を進めている。これに伴い、政治資金の収支報告も訂正する。

 問題の領収証は、相沢氏の後援会と資金管理団体の主催で04年8月3日、仙台市青葉区のホテルで開かれた「第9回県政報告会」に使った案内状や配布資料などの印刷代9万4135円分。相沢氏によると、事務所の会計担当の女性職員が同年8月下旬—05年1月まで病気療養のため休職。会計処理が滞り混乱した影響で、政治資金収支報告書と政調費支出報告書に二重添付した可能性が高いという。

 2枚の日付が04年の7月30日、8月31日と異なっている点は「職員がはっきり記憶していない」としながらも、「結果的に改ざんがあった」と認めた。この処理に関して職員から相談はなく、自らの指示や関与はないと強調した。

 相沢氏は、04年3月に改正された政調費交付条例案を取りまとめた検討委員会の委員長も務めた。「議長や検討委の委員長として(政調費などの)模範的な処理をしなければならない責務があるのに、大きな失態だ。県民や議会関係者に心からおわびする」と述べた。
 一方、政治資金パーティーへの政調費支出については「支出は構わないという考えは変わらない。県政報告会への計上は違法ではない」と持論を展開した。

◎オンブズマン来月、刑事告発

 前宮城県議会議長の相沢光哉県議が2004年8月に開いた政治資金パーティーで、1枚の領収証を自らの政治資金収支報告書と県議会政務調査費(政調費)支出報告書に二重計上していたことが明らかになったことを受け、仙台市民オンブズマンは25日、相沢氏を有印私文書偽造や詐欺などの容疑で3月14日に仙台地検に刑事告発する方針を決めた。

 相沢氏は25日、二重計上の責任を取り、オンブズマンが返還訴訟を起こしている04、05両年度の同氏の政調費全額を返還する意向を示したが、10河弘代表は「返還すれば済む問題ではない。政調費の精算義務を偽造領収証で免れ、詐欺による利得を得た」と指摘している。

 政調費返還に伴い、政治資金収支報告の訂正も予想されることから、オンブズマンは政治資金規正法違反容疑などでの告発も検討する。
 オンブズマンは、県議会の06年度政調費と仙台市議会の03年度(03年5月—04年3月)—06年度政調費を対象にした住民監査請求を4月に行う方針も決めた。


◎「旅費二重取り」住民監査を4月に請求 宮城

 自治体職員による出張旅費と通勤手当の「二重取り」問題で、仙台市民オンブズマンは25日、石巻市と大崎市の宮城県地方振興事務所と県土木事務所、県税事務所の計六事務所で不適正支出があった疑いが強いとして、4月に住民監査請求する方針を決めた。

 請求対象は、6事務所の職員が2006年度に受け取った計1416件の旅費計約314万円。同年度に六事務所で支出した旅費総額の約87%に当たる。
 オンブズマンは、これらの旅費について(1)自家用車で通勤している職員が自家用車を使って仙台市に出張した際に旅費が支給された(2)公用車使用に日当が支給されている—などと指摘している。

 宮城県は昨年3月、職員が鉄道やバスの定期券を使って出張する際、定期券使用区間の交通費を減額して旅費を支給するよう本庁や各地方振興事務所に文書で通知した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080226-00000018-khk-l04