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2008年02月26日(火) 11時28分

国会議員の犯罪 無罪は高い壁産経新聞

 ロッキード事件(昭和51年)以降、検察が起訴した国会議員(元職を含む)で全面無罪が確定した例はない。鈴木宗男被告(60)を再び実刑とした26日の2審東京高裁判決でも、検察の「不敗神話」は守られた。

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 平成16年の鈴木被告の1審判決以降、国会議員に無罪が言い渡されたのは2件。しかし、2審で逆転有罪となるか、一部無罪にとどまっており、大半は検察側が有罪判決を勝ち取っている。

 日歯連事件(16年)をめぐり、政治資金規正法違反罪に問われた元官房長官、村岡兼造被告は、1審では無罪となったが、2審で逆転有罪を言い渡され、上告中。

 唯一、無罪が確定したのは、弁護士名義貸し事件(平成17年)で、組織的犯罪処罰法違反罪で起訴された西村真悟・衆院議員。しかし、弁護士法違反罪では1審で有罪が確定しており、全面無罪とはいえない。

 一方、有罪となったのは、政治資金規正法違反と詐欺の罪に問われ、懲役2年8月の実刑となった坂井隆憲・元衆院議員(1審で確定)。公設秘書給与をめぐり詐欺罪に問われた佐藤観樹・元自治相も懲役1年4月の実刑が確定している。

 現在、国会議員時代の犯罪で起訴され、審理が続いている事件は、鈴木被告を除くと、KSD事件(平成12〜13年)で受託収賄罪に問われた元労相の村上正邦被告=上告中=と、日歯連事件の村岡被告の2件となった。

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