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2008年02月26日(火) 12時49分

収賄元警部補に実刑 福岡地裁判決「規範意識が鈍磨」朝日新聞

 窃盗グループに捜査情報を漏らした見返りに現金を受け取ったとして、加重収賄と地方公務員法違反(守秘義務)の罪に問われた福岡県警の元警部補、上村美昭被告(59)=同県福津市若木台1丁目=の判決公判が26日、福岡地裁であった。林秀文裁判長は「警察官としてあるまじき犯行で、県民の警察への信頼を裏切った」と述べ、懲役2年、追徴金50万円(求刑懲役3年、追徴金50万円)を言い渡した。

 上村被告側は現金を受け取ったことを認めたうえで趣旨などについて争っていたが、林裁判長は「被告の公判供述は信用できない」などとして退けた。

 そのうえで、上村被告は事件の早期解決を目指していた同僚から捜査情報を求められたのに、窃盗グループが犯行を自白したという極めて重要な事実を握りつぶしたと指摘。「窃盗グループに恩を売ることで引き続き有益な捜査情報を得ようとしたという誤った職務意識や、借金返済のため現金を得ようとした動機に酌量の余地はない」と指弾した。過去にも捜査情報を漏らした見返りに現金を受け取っていた点にも触れ、「規範意識が著しく鈍磨している」と断じた。

 判決によると、上村被告は04年11月、窃盗グループの主犯格で住所不定、無職の中矢広夫受刑者(33)=懲役15年が確定=に頼まれ、同年8月以降に北九州市などで連続して起きた現金自動出入機荒らし事件の捜査対象として中矢受刑者が尾行されていることを同僚から聞き出し、同受刑者に伝えた。その後も逮捕を逃れるための助言を続け、05年2月に自宅で現金50万円を中矢受刑者から受け取った。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0226/SEB200802260002.html