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2008年02月25日(月) 22時31分

ホルモン剤を20万分の1に薄めて販売 暴利むさぼる産経新聞

 診療所やエステ店を全国展開する「メディカルサロン」グループによる肥満治療薬「マジンドール」の無資格処方事件で、グループ代表の医師、風本真吾被告(44)=医師法違反罪で起訴=が「背を伸ばす医療」と称し、成長ホルモン剤を約20万分の1に希釈し、販売していたことが25日、大阪地検と近畿厚生局麻薬取締部の調べで分かった。
 風本被告らは、1本約5万5000円の製剤を約50億円分の価値に膨らませていた。少なくとも平成18年10月より前からエステなどの客に広くスプレーを販売、暴利を得ていたとみられる。
 希釈して販売されていたのは、低身長症の治療に用いられる「ソマトロピン」。副作用は少ないが、医師の処方が必要。別商品として販売する行為は薬事法に抵触する可能性があるという。
 調べでは、同グループは、通常では薄めずそのまま注射して用いる5・3ミリグラムのソマトロピン製剤を6リットルの水溶液で薄め、さらに3ミリグラムずつ取り出して1リットルの水溶液で希釈。この溶剤を舌に吹きかける「成長ホルモンスプレー」と名付け、1本(24ミリリットル入り)6万900円で販売していた。
 麻薬取締部などが今年1月に同グループを家宅捜索した際、スプレーを押収。鑑定したところ、ソマトロピンは6〜7ピコグラム(1ピコは1兆分の1)しか検出されなかった。
 ソマトロピンは経口摂取では効果がないとされるが、風本被告は調べに対し、「希釈していたのは事実だが、経口でも効果があると思っていた。外国で同じような処方があったのでまねた」と供述しているという。

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