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2008年02月25日(月) 21時10分

<三浦元社長>これからどうなる 逮捕後の展開毎日新聞

 【ロサンゼルス國枝すみれ】逮捕された三浦元社長は、米国に移送されれば司法取引や陪審制度を特徴とする米国の司法手続きに則って裁かれる。司法制度に詳しい米在住のセキュリティー会社役員は「日本と異なり、状況証拠の積み重ねだけで陪審員が有罪と判断するケースも多い」と解説する。

 専門家によると、元社長については今後、身柄移送の可否が審理される。逮捕場所のサイパン島を含む北マリアナ諸島(米国自治領)は米本土と法体系が異なり、調整が長引く可能性もある。

 移送後、起訴までの間に予備審問と呼ばれる手続きが行われ、審理に十分な証拠があるか判断される。この段階で有罪を認めれば、大方のケースで保釈が認められるが、今回は無実を主張する可能性が高く、身柄拘束が続くとみられる。

 重罪の場合、陪審員が起訴を判断する大陪審が開かれることもある。

 起訴までの公判前手続きでは、弁護側が検察官と交渉し、容疑を認める代わりに刑を軽減する司法取引が行われる可能性もある。

 起訴後、罪状認否を経て公判に入り、陪審員が有罪か無罪かを決める評決を行う。有罪の場合、量刑を裁判官が決定する。

 米国の刑事司法に詳しい藤本哲也・中央大教授は「法体系が異なるロスへ移送するには調整が必要だ。ロスへと移送されれば、予備審問などを経て保釈の有無が決定されるだろう」と話す。

 陪審員の判断は大きく揺れることもある。アメリカンフットボールの元スーパースター、O・J・シンプソン氏が前妻らを殺害したとして起訴された事件では、95年にロス地裁の刑事陪審が「無罪」評決を下したが、97年に別の地裁の民事陪審は「同氏が事件を起こした」と正反対の評決を下している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080225-00000127-mai-soci