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2008年02月25日(月) 03時02分

三浦元社長逮捕、FBIが「新証拠ある」読売新聞

 米国ロサンゼルス市警が、27年前のロス疑惑のうち「一美(かずみ)さん銃撃事件」で無罪が確定した元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)を米自治領サイパンで逮捕したことについて、米連邦捜査局(FBI)が、日本の警察当局の照会に「(一美さん殺害容疑の)新証拠があった」などと説明していることがわかった。

 FBIは、三浦元社長の無罪が確定した2003年3月以降も、ロス市警が捜査を継続していたことなどを日本側に明らかにしており、元社長が米国での司法手続きに沿って起訴される見通しが高まっている。

 三浦元社長が当時妻だった一美さんの殺害容疑で逮捕されたのは、サイパン国際空港から日本に帰国しようとした直前の22日午後。米紙が23日に報道したことを受け、日本の警察当局がFBIに説明を求めたところ、FBIから逮捕に踏み切った理由として、「当時の捜査結果とは異なる新たな証拠があった」などという趣旨の回答が寄せられた。FBI側は、新証拠の内容を明らかにしなかったが、ロス市警の未解決殺人事件捜査班が現在、捜査にあたっていると説明し、捜査内容にも自信を見せたという。

 三浦元社長を巡っては、警視庁が1988年10月に一美さん殺害などの容疑で逮捕した際、ロス市警から捜査結果を証拠として提供されていた。今回の逮捕容疑には殺人とともに「共謀」も含まれており、米国側が今後、日米刑事共助条約に基づき、日本側に補充捜査などを求めてくる可能性も想定される。

 米国には殺人罪に公訴時効はなく、27年前の事件でも起訴することは可能。

 三浦元社長の代理人を務める弘中惇一郎弁護士によると、三浦元社長は今月18日ごろから4、5日間の日程でサイパンに滞在。22日夕方の便に搭乗して帰国する予定だった。同日、妻の良枝さんに逮捕の連絡が入り、良枝さんはサイパンに向かって、23日に三浦元社長と接見したという。

 三浦元社長は2003年3月に一美さん銃撃事件で無罪判決が確定した後、数回にわたってサイパンを訪れていた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080224-OYT1T00775.htm