2008年02月25日(月) 15時02分

＜診療報酬詐欺＞架空クリニックで２億円、経営女逮捕　東京（毎日新聞）

　首都圏に実態のないクリニックを複数開設したうえで架空の診療報酬を請求していたとして、警視庁組織犯罪対策１課が、東京都渋谷区代々木、元医療コンサルタント会社経営、南部美幸（なんぶ・みゆき）容疑者（５３）を詐欺容疑で逮捕していたことが分かった。健康イベントで入手した個人情報を悪用、０４〜０７年の間、実際には診療していない延べ約５０００人分の報酬約２億２０００万円を詐取していたとみられる。

　調べでは、南部容疑者は０７年４〜９月に計１４回、健康イベントで入手した個人情報を悪用し、実態のないクリニック名で架空の診療報酬計約１８万円を支払い審査機関に請求し、詐取した疑い。今月２０日に逮捕され、「不正請求を行った覚えはない」と否認しているという。

　関係者によると、医師免許のない南部容疑者は０４〜０６年、数人の医師の名義を使い、都内や千葉県内に所有する雑居ビルなどを所在地とする実態のないクリニックを４カ所開設していた。

　その一方で、会員制の健康サービス会社が東京都江東区の公民館などで開いたイベントに便乗。来場者に「無料で血液検査が受けられる」などと持ちかけて保険証のコピーを提出させ、保険証番号などの個人情報を入手。それをもとに提出書類を作成し、クリニック名で不正請求を繰り返していたという。

　クリニックに実態があると見せかけるために看板などを出して、偶然訪れた患者には南部容疑者が自ら応対していた。クリニック開設時に名義を貸した医師は南部容疑者から報酬を受け取っていたとされ、組対１課は詳しく事情を聴いて不正の全容解明を図る。【曽田拓】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080225-00000053-mai-soci