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2008年02月25日(月) 00時35分

「無実だ」と逮捕に不満 三浦容疑者、領事と面会中国新聞

 【サイパン(米自治領)24日共同=酒田英紀】日本外務省サイパン出張駐在官事務所の矢沢憲治やざわ・けんじ領事は二十四日午後、米自治領サイパン島の司法当局収容施設で、一九八一年に米ロサンゼルスで起きた銃撃事件で妻を殺害したとして殺人と共謀の容疑で逮捕された神奈川県平塚市の会社役員三浦和義みうら・かずよし容疑者(60)と面会した。同容疑者は「自分は無実だ。日本で無罪が確定しており、大変驚いている」と述べ、逮捕に不満を訴えたという。

 約一時間面会した矢沢領事によると、三浦容疑者の健康状態は良好のようで「以前もサイパンに来ており、なぜ今なのか驚いた」などと発言。二十五日午後、都内で弁護士が今後の対応について会見する予定。

 サイパンの空港警察当局者は二十四日、三浦容疑者が空港での出国審査でパスポートを提示した際、身元を確認した出入国係官の通報で警察に逮捕されたことを明かした。日本の関係者によると、執行されたのは八八年に米司法当局が取った逮捕状だったという。

 空港警察当局者によると、三浦容疑者はサイパン司法当局の収容施設に拘置。ロサンゼルス市警は同容疑者の移送手続きをサイパン当局とともに進めているもようだ。

 銃撃事件では二〇〇三年、日本の最高裁で三浦容疑者の無罪が確定。米捜査当局は同容疑での逮捕に踏み切っており、米国で起訴されるかが今後の焦点になりそうだ。日本の捜査当局によると、米連邦捜査局(FBI)の担当者は「新証拠が見つかり、逮捕に踏み切った」と話している。

 カリフォルニア州では、容疑者は逮捕後四十八時間以内に裁判官の前に出頭し罪状認否を行うが、サイパンで拘束されている三浦容疑者がいつ移送されるかは不明。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802240252.html