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2008年02月25日(月) 18時32分

「起訴できるかも疑問」三浦容疑者の元弁護人会見産経新聞

 ロサンゼルス市警に殺人と共謀の疑いで逮捕された神奈川県平塚市の会社役員、三浦和義容疑者(60)の元弁護人が25日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「新証拠が本当にあるのか疑問」などと指摘した。今後は法務省、警察庁、最高検などに対し、米から捜査共助の要請があっても捜査・公判資料を提供しないように申し入れるという。

写真でみる“疑惑の銃弾”

 会見したのは、弘中惇一郎弁護士と喜多村洋一弁護士。
 弘中弁護士は「日本の最高裁で無罪が確定しているので、今さら事件を蒸し返すことはできないのではないか。一事不再理は世界の一定の人権が認められた国の共通ルール」と述べ、今回の逮捕の不当性を強調。その上で、「米当局から捜査共助の要請が来ても、法務、警察当局は毅然(きぜん)とした態度を取ってもらいたい」として、協力すべきではないとの考えを示した。
 また、FBI(米連邦捜査局)が警察庁に伝えた「新証拠」について、「本当のあるのか疑問。あるとしたら、日本の裁判で争われた状況証拠程度のものということはあり得ないが、見当がつかない」と話した。
 喜多村弁護士は「この事件は連邦犯罪ではないので、FBIが捜査しているわけではない。ロサンゼルス市警から聞いたことを伝えているだけだろう」とした。
 両弁護士は逮捕以後、三浦容疑者と計6回、電話で話をしたことを明らかにした。電話は1回7、8分だという。
 電話口の三浦容疑者は落ち着いた様子で、「逮捕は不当」「新証拠などあるはずがない」などと話しているという。外部と遮断されているので、両弁護士が日本での報道内容などを伝えている。
 弘中弁護士は「今回の会見も三浦さんの考えで開いた」と説明。三浦容疑者は「会見で不当逮捕だということを訴えてほしい」と要望したという。
 喜多村弁護士は「三浦さんが今後、起訴されるかどうかも疑問。有罪はない」と強調。弘中弁護士は、三浦容疑者が「ロス疑惑」の渦中の人として報道された中で、マスコミを相手取り多数の名誉棄損訴訟を起こして勝訴していることに触れ、「三浦さんは今回の件に関する報道にも関心を持っている」と語った。

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