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2008年02月25日(月) 04時00分

遺伝子の組み換えを制御=染色体異常防ぐ物質−阪大時事通信

 生殖細胞が卵子や精子を作る際、遺伝情報を受け継ぐために起きる遺伝子の組み換えが正確に行われるよう働き掛けるたんぱく質複合体があることを、大阪大蛋白質研究所の篠原彰教授(分子生物学)らの研究グループがパン酵母を使った実験で発見。25日、米科学誌ネイチャー・ジェネティクスの電子版に発表した。
 卵子や精子で両親の遺伝情報を配分する遺伝子の組み換えが正しく起きないと、染色体の異常による流産や先天的な成長障害が起きる。
 篠原教授らはこれまでに、組み換えを引き起こすたんぱく質を見つけているが、今回新たに計8個のたんぱく質で構成された複合体が、組み換える数や分布を正確に制御する働きがあることを突き止めた。
 このたんぱく質を作る遺伝子を持たない酵母を人為的に作ると、染色体の異常がほぼ100%の割合で起きたという。
 染色体の数は違うが、このたんぱく質複合体はヒトの生殖細胞の中にも存在するため、その仕組みが解明されれば、流産などを防ぐ技術が開発できる可能性もある。 

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