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2008年02月25日(月) 11時28分

<三浦容疑者>サイパンの高等裁判所で審理 保釈を認めず毎日新聞

 【サイパン宮川裕章】81年のロス銃撃事件の殺人容疑などで米ロサンゼルス市警が逮捕し、サイパン島(米自治領)で身柄拘束されている元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)に対する保釈の可否に関する審理が、25日午後1時半(日本時間同0時半)から地元の高等裁判所で開かれ、保釈を認めないことが決まった。三浦容疑者は拘束の不当性を訴えた。

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 裁判長は、ロサンゼルス市警の逮捕容疑について説明した。裁判長に「何か質問があるか」と聞かれ、「なぜ保釈されないのか。このケースは古く、証拠隠滅や逃亡の恐れはない。パスポートが(取り上げられて)ないから逃亡はできない」などと述べた。

 一方、三浦容疑者のロスへの移送時期について、外務省の在サイパン出張駐在官事務所は「この裁判手続きが終わって、分かってくると思う」と話している。また、面会については24日までは領事に限定されていたが、審理が終われば面会できる人物の範囲も広がり、三浦容疑者とともにサイパンに来ている妻との面会が実現する可能性があるという。

 ◇「劣悪な環境」と三浦容疑者が弁護士に

 銃撃事件の弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士によると、24日朝に続き、25日朝にも、三浦容疑者から直接電話があり、審理について「すでに終わった事件なので、早く釈放するように訴えるつもりだ」と強調したという。

 弘中弁護士が「FBI(米連邦捜査局)は『新証拠がある』と言っているようだ」と伝えると、「一体何のことでしょうか」と憤慨した様子で応じ、弁護士が「あるとすれば(間接証拠ではなく)もっと分かりやすい証拠があるのだろう」と話すと、戸惑っていた。

 また、拘束されている施設については「劣悪な環境。セメントの箱の中でベッドもなく横たわっているような状況です。早く弁護士を頼んでほしい」と不満を訴えていたという。【古関俊樹】

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