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2008年02月24日(日) 20時09分

三浦容疑者「家族と会いたい」 在サイパン出張駐在官事務所が面会産経新聞

 外務省の在サイパン出張駐在官事務所は24日午後(現地時間)、米ロサンゼルス市警が殺人などの容疑で逮捕した三浦和義容疑者(60)とサイパンの収容施設で面会した。三浦容疑者は「日本で無罪が確定しているのに、どうして逮捕されたのか」と驚いた様子で、「明日25日に弁護士が会見するので、自分が言いたいことは会見で述べてもらう」と話したという。

【関連フォト】三浦和義容疑者と一美さん

 面会は、矢沢憲治領事、吉田謙次副領事ら3人が午後3時40分から4時50分ごろまで約1時間にわたって行った。三浦容疑者は健康に問題はなく元気そうで、「大きな問題はない」などと話していたという。

 「誰かと連絡を取りたいか」との問いかけには、「家族と会いたい」と語ったという。

 同事務所では、三浦容疑者が拘束された当初はサイパン当局から、「(同容疑者が)面会を望んでいない」との説明を受けていたが、「邦人保護の観点から、身柄拘束された場合は、事実関係や本人確認をする必要がある」として面会を求めていた。

 また、サイパンの空港警察当局によると、三浦容疑者は、サイパン国際空港の出国審査でパスポートを示したところ、身元を確認した出入国係官に通報されて警察に逮捕されたという。

 日本の関係者によると、身柄拘束時は妻と一緒だった。執行されたのは1988年に米司法当局が取った逮捕状で、一美さん銃撃事件の容疑には「氏名不詳者との共謀」と書いてあった。

 ロサンゼルス市警は三浦容疑者を米国へ移送する手続きをサイパン当局と進めているもようだが、移送時期などは明らかになっていない。

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【用語解説】ロス疑惑
 1981年(昭和56)年11月18日、米ロサンゼルス市内の駐車場で、三浦和義容疑者夫妻が銃撃され、約1年後に妻の一美さん=当時(28)=が死亡、三浦容疑者は約1億6000万円の保険金を受け取った。その3カ月前には同市内のホテルで一美さんが頭を殴られ、負傷する事件が発生。昭和59年に週刊文春の連載「疑惑の銃弾」で保険金目当てとして報じられ全国的な話題に。三浦容疑者は疑惑を否定したが、昭和60年9月、殴打事件に絡む殺人未遂容疑で警視庁が三浦容疑者らを逮捕。63年10月には銃撃事件の殺人容疑などで三浦容疑者らを逮捕した。三浦容疑者は銃撃事件の1審で無期懲役の判決を受けたが、2審で逆転無罪となり、平成15年3月、最高裁で無罪が確定。一方、殴打事件では懲役6年が確定し、約2年間服役した。

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