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2008年02月24日(日) 20時23分

出国審査時に通報、拘束 三浦容疑者に外務省面会へ中国新聞

 【ロサンゼルス23日共同=砂田浩孝】一九八一年に米ロサンゼルスで起きた銃撃事件で妻を殺害したとして殺人と共謀の容疑で米自治領サイパン島で逮捕された会社役員三浦和義容疑者(60)は、サイパン国際空港での出国審査でパスポートを提示した際、身元を確認した出入国係官の通報で警察に逮捕されていたことが二十三日、サイパンの空港警察当局者の話で分かった。

 拘束された三浦容疑者は「困惑し、疲れた」(別の空港警察関係者)様子だったという。日本の関係者によると、執行されたのは八八年に米司法当局が取った逮捕状だったという。

 空港警察当局者によると、三浦容疑者はサイパンの警察関連施設に拘置。一方、ロサンゼルス市警は同容疑者を移送する手続きをサイパンの当局とともに進めているもようだ。

 銃撃事件では二○○三年、日本の最高裁で三浦容疑者の無罪が確定している。米捜査当局は同容疑での逮捕に踏み切っており、米側が起訴するかどうかが今後の焦点になりそうだ。日本の捜査当局によると、米当局者は「新証拠が見つかり、逮捕に踏み切った」と話している。

 カリフォルニア州では、容疑者は逮捕後四十八時間以内に裁判官の前に出頭し、罪状認否を行うが、サイパンで拘束されている三浦容疑者がいつ移送されるかは不明。同州の法律専門家は移送手続きそのものには時間はかからないとの見通しを示している。

 日本外務省のサイパン出張駐在官事務所の担当者は二十四日午後、三浦容疑者と面会する。

 同事務所は、三浦容疑者が拘束された二十二日、検察当局から「(同容疑者は)面会を望んでいない」と説明を受けたが、「邦人保護の観点から、本人の意向にかかわらず事実確認する必要がある」として面会を求めていた。

 三浦容疑者は、一九八一年十一月にロサンゼルスで妻だった一美さん=当時(28)=が頭に銃撃を受け約一年後に死亡した事件で、サイパンの空港で逮捕された。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802240222.html