記事登録
2008年02月24日(日) 12時13分

「有罪になる可能性も」 逮捕に戸惑いや驚き中国新聞

 「有罪になる可能性が大きいのでは」「何の力が働いているのか」—。日本中を騒がせたロス銃撃事件の発生から二十七年。三浦和義容疑者(60)の予想外の逮捕に、識者らから戸惑いや驚きの声が上がった。

 「米国は状況証拠による認定が広い。日本で無罪でも同じになるとは限らない」と話すのは板倉宏日大法科大学院教授(刑法)。米国では殺人罪の時効がなく、いったん無罪となった事件でも、州が違えば逮捕して処罰されることがあるという。

 「最高裁での無罪が確定しているので、犯罪人引渡条約に基づいて要請されても、日本は彼の身柄を引き渡せない。米国に行かない限り逮捕されなかったはず。ロス市警はあきらめていなかったんですね」と驚きの声を上げた。

 約四年前にロス銃撃事件を題材にした劇場映画を制作した映画監督、東真司さん(47)は「ロス市警は捜査を打ち切ったはずでは。何の力が動いたのか」といぶかる。

 最後のやりとりは、今年元旦に三浦容疑者から届いた年賀メールへの返信。昨年の万引事件の裁判に触れ「でっち上げられ、ご心配を掛けています」と書かれていたという。

 グリコ・森永脅迫事件の「キツネ目の男」に疑われた経緯などを書いた「突破者」などの著作がある作家宮崎学さんは「昔の事件を、なぜこの時期に摘発したのか。情報が少なく日米の法律の差にも詳しくないが、何か奇異な感じがする」と話す。

 宮崎さんは、三浦容疑者に近い関係者から「サイパンには何回か行っている」と聞いたという。「逮捕には、本人が一番びっくりしているのでは」と語った。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200802240113.html