記事登録
2008年02月24日(日) 23時38分

三浦元社長逮捕…一美の無念「光差した」母親が仏前に報告読売新聞

 「何か少し光が差したのかな」——。27年の時を経て再び動き出した「ロス疑惑」。元輸入雑貨会社社長の三浦和義容疑者(60)が、当時の妻、一美さんの殺害容疑でロサンゼルス市警に逮捕されたという一報を受け、一美さんの母親は期待を込めて仏前に報告した。

 無罪確定後、今の妻の事業が軌道に乗り、逮捕されたサイパン島にたびたび観光に訪れていたという三浦元社長。今回の逮捕を「十分想定できた」という米国の元捜査関係者もいる一方、支援者には戸惑いが広がっている。

 三浦元社長の逮捕の発表から一夜明けた24日、元社長の妻だった一美さんの母、佐々木康子さん(75)は川崎市内の自宅前で、「あしたは娘の誕生日。その前に何か少し光が差したのかな」と、ほっとしたような笑顔を見せた。

 生きていれば25日で55歳になる一美さんが、何者かに銃撃されたのは27年前も昔。三浦元社長の無罪が確定してからも、5年近い歳月がたつ。

 23日の夜遅く、突然、飛び込んできた逮捕のニュースにはただ驚くしかなかった。元社長の無罪確定後は日米の捜査当局から全く連絡がなく、「娘の敵を取りたいという思いをずっと持っていたけど、もう駄目だと思っていた」。

 だからニュースを聞くとすぐ、一美さんの仏壇に線香を上げて報告した。「アメリカでやってくれると思うから期待してね」

 一美さんの父親の良次さんは1990年に病気で亡くなっている。康子さんは「心労がたたった。事件のことは『悔しい、悔しい』と言うだけでした」と声を詰まらせ、「ロス市警には頑張ってもらいたい」と捜査に期待を込めた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080224-OYT1T00749.htm