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2008年02月24日(日) 23時10分

一美さんの遺族「本当のこと言って」 ロス事件朝日新聞

 27年前の「一美さん銃撃事件」で逮捕された三浦和義元社長(60)は、サイパンの地元警察の施設に収容された。面会した領事らに「終わった事件だ」などと話したという。25日は一美さんの55回目の誕生日。直前の急展開に、母親の佐々木康子さん(75)は「本当のことを言ってほしい」と話した。

 殺害された三浦一美さん(当時28)は、生きていれば25日でちょうど55歳になる。

 川崎市に住む一美さんの母親佐々木康子さんは24日、「誕生日を前にして少しだけ光が差してきた。私は年なので最後まで見守れるか分からないが、がんばりたい」と心境を語った。

 康子さんは、「疑惑の銃弾」として事件に注目が集まった84年初めから度々、夫の良次(よしつぐ)さん(90年に死去)とともに日米を往復。情報を集め、両国捜査当局の橋渡しになろうと動き回った。その思いは、夫妻が85年12月に著した「肩書のない捜査官」(文芸春秋)に「病院のベッドで寝ていたときの一美の顔は、生涯忘れられない」「一美の無念をはらすために、何度でも太平洋を往復する」と記していた。

 88年10月、一美さん殺害容疑で三浦元社長が逮捕された。一審は無期懲役だったが、98年7月の控訴審では逆転無罪。法廷に通い続けた康子さんは「亡くなった娘と主人に何て報告していいか……」と声を震わせた。無罪判決は03年3月に最高裁で確定した。

 それから5年。「捜査が続いていることは全く知らなかった。もう、だめだと思っていた」と康子さん。「三浦元社長の逮捕」を知った23日夜、自宅の仏壇に手を合わせ、一美さんと良次さんに報告した。

 三浦元社長に対し、康子さんは「ちゃんと本当のことを言ってほしい」と求めた。今後、亡き良次さんと一緒に集めた情報を日本の捜査当局を通じ、ロス市警に提供する考えだ。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0224/TKY200802240148.html