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2008年02月23日(土) 00時24分

すべての患者に治療明細書 国立病院で厚労省方針朝日新聞

 厚生労働省は08年度中に、全国の国立病院で、検査や投薬などの治療内容が詳細に分かる明細書を、原則としてすべての患者に無料で発行する方針を固めた。患者への情報開示を積極的に進めることで医師への不信感を取り除き、患者自身が受けた医療の内容をチェックできるようにするのが狙いだ。

 対象は全国に8カ所ある国立高度専門医療センターと、国立病院機構が所管する146の国立病院。これらの病院では、患者の求めがあれば現在でも無料で明細書を発行しているが、求めがない場合でも患者に手渡すようにする。

 検査や投薬の内容にかかわらず、1日あたりの入院治療費が定額となる包括払いを導入している病院でも、治療の内訳がわかるような明細書にする。患者は明細書を保存しておくことで、薬害などの被害を受けた際に確実に投薬証明ができるようになる。

 課題は、患者自身に本当の病名が伏せられているような場合、明細書で病名がわかってしまう可能性があることだ。このため厚労省では、明細書の発行にあたり、必要に応じて患者の家族や主治医に意見を聞くなど、運用上の条件をつけることも検討するという。

 08年度の診療報酬改定では、今年4月から、ベッド数400床以上のすべての病院で、患者からの求めに応じて実費による明細書の発行が義務づけられるようになる。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/life/update/0222/TKY200802220280.html