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2008年02月23日(土) 20時54分

<三浦元被告>米当局が殺人容疑で逮捕 旅行中のサイパン島毎日新聞

 【ロサンゼルス支局】米紙ロサンゼルスタイムズ(電子版)は23日、ロス銃撃事件(ロス疑惑)で殺人罪などに問われ、最高裁で無罪が確定した三浦和義元被告(60)が22日、旅行中のサイパン島(米国自治領)で米当局に殺人容疑で逮捕されたと報じた。

 同紙によると、サイパンの空港で、1981年11月に妻、一美さん(当時28歳)を殺害した疑いなどで逮捕されたという。ロサンゼルス市警は渡航の情報を得てサイパン、グアム(米領)両当局と連絡を取っていた。

 同紙によると、ロス市警はサイパン当局に対して身柄の早期移送を求めている。同紙は市警当局者の話として、ロサンゼルスで起訴される見通しだと伝えている。

 外務省海外邦人安全課は日本人男性が22日夕にサイパンの空港で殺人容疑で身柄を拘束されたことを認めている。在サイパンの出張駐在官事務所の担当者は「昨日(22日)午後5時すぎ、旅行代理店から日本人男性が出国時に移民局に身柄を拘束されたと連絡があった」と話している。25日朝に担当者が面会する予定だという。

 三浦元被告は81年8月に一美さんを殺害しようとした殴打事件で殺人未遂罪に問われ、87年に東京地裁で懲役6年の実刑判決を受けた。しかし、81年11月に一美さんを銃撃したとされる事件では殺人罪に問われたものの、03年3月に最高裁で無罪が確定した。

 ▽ロス疑惑 米国ロサンゼルス市で81年11月、三浦和義元被告の妻一美さんが銃撃されて1年後に死亡、三浦元被告も足を負傷した事件を巡り、週刊文春が84年、三浦元被告による保険金殺人疑惑として報道した。その後、三浦元被告は一美さんに対する殴打事件と銃撃事件で逮捕、起訴された。

 銃撃事件は1審が「『氏名不詳者』に指示して一美さんを殺害した」と認定して三浦元被告に無期懲役を言い渡したが、2審は「共犯者が全く見当たらない」として逆転無罪を言い渡し、03年3月、最高裁が検察側の上告を棄却、無罪が確定した。殴打事件では、ロサンゼルスのホテルで81年8月、元女優(有罪確定)にハンマーで一美さんを殴らせた殺人未遂罪に問われ、懲役6年の有罪が確定、受刑。01年1月に出所した。

 ◇日本では03年に無罪判決が確定 妻殺害容疑

 81年8月、三浦和義元被告の妻一美さんは米国ロサンゼルス市を旅行していた際、ホテルの自室で頭をハンマーで殴られ、けがを負った。その3カ月後、同じロス市内で夫妻は銃撃され、三浦元被告が左足に重傷を負い、一美さんは頭に銃弾を受けて約1年後に死亡した。

 週刊文春が84年1月、一連の事件を「疑惑の銃弾」として連載を始め、「ロス疑惑」として注目を集めた。85年9月には、三浦元被告が保険金目当てで知人の元女優に一美さんの殺害を依頼したとして、元女優とともに殺人未遂容疑で警視庁に逮捕された。元女優はホテルでの殴打事件を認め、懲役2年6月の実刑が確定した。

 銃撃事件では三浦元被告と実行役とされた駐車場経営会社が東京地検に殺人罪で起訴され、三浦元被告は一審で無期懲役の判決を受けたものの、東京高裁で逆転無罪の判決を受けた。検察は上告したが、最高裁は棄却。無罪が確定した03年3月には毎日新聞の取材に「なるべくしてなった決定だが、感無量です。20年以上ですからねえ」と話していた。社長は1、2審ともに無罪判決が確定している

 ところが、三浦元被告は殴打事件で懲役6年の有罪が決まり、98年11月から再び収監されたほか、出所後には雑誌やサプリメントを万引きして逮捕されるなど波乱の人生を展開した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080223-00000098-mai-soci