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2008年02月23日(土) 18時28分

タクシン元首相に外交旅券再交付 復権へまた一歩朝日新聞

 タイのタクシン元首相に外交旅券が再交付されたことが23日、分かった。地元メディアが一斉に報じた。外遊中の06年9月にクーデターで失脚後、前政権から失効させられていたが、また一歩復権を果たした形だ。元首相は来月にも帰国するとされ、政局の台風の目となることは確実だ。

 国外から軍やクーデター批判を繰り返した元首相に対して、前政権は昨年1月、「社会の混乱をあおっている」として外交旅券を失効させた。ところが、同12月の総選挙で元首相派が圧勝。元首相の顧問弁護士だったノパドン氏が新内閣で外相に就任し、「外交旅券は首相経験者すべてに与えられる特権」として元首相への再交付を明言していた。今後、査証なしで各国を訪問できる。

 元首相の長男は19日、「父は3月中に帰国する」と発言。バンコクでは連日のように「明日帰国する」などのうわさが飛び交っている。

 汚職防止法違反の罪などに問われる元首相は、帰国すれば出廷することになるが、無罪を求める支持者らが集結し、反タクシン派を刺激する可能性がある。現政権への影響力もさらに高まることが予想される。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/international/update/0223/TKY200802230322.html