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2008年02月23日(土) 17時23分

業者「200万円渡した」 飛鳥公園談合 大阪地検朝日新聞

 国土交通省発注の国営飛鳥歴史公園(奈良県明日香村)の防災工事をめぐる競売入札妨害事件で、受注業者に予定価格を漏らしたとする競売入札妨害(偽計)容疑で逮捕された国交省のキャリア職員2人に対し、業者が「現金計200万円を渡した」と供述していることが大阪地検特捜部の調べでわかった。特捜部は23日、キャリア2人の東京都内の自宅を家宅捜索した。

  

 業者間で入札価格を調整した競売入札妨害(談合)容疑で逮捕されている受注業者「槙峯建設」(奈良県高取町)社長の槙峯和也容疑者(67)は04年の別工事と05年の今回工事を受注した際、元飛鳥歴史公園事務所長で同省公園緑地課企画専門官の高松正彦容疑者(43)と、出向中の独立行政法人・都市再生機構業務第3部担当部長上島(うえしま)晃嗣容疑者(52)に各50万円ずつを封筒に入れるなどして渡したという。受注謝礼の趣旨も認めており、特捜部は元所長らにも授受について聴き、贈収賄容疑で捜査する。

 調べでは、高松容疑者は05年7月の「甘樫丘(あまかしのおか)地区」防災工事の入札にあたり、非公表の予定価格が5200万円をわずかに上回ることを槙峯容疑者に漏洩(ろうえい)した疑い。上島容疑者は槙峯容疑者の親族の知人。高松容疑者は2人の求めに応じ、同6月に知らせたという。

 同公園事務所では、予定価格の最終決定権限を所長が握っていた。高松、上島両容疑者はともに「造園職」で合格したキャリア技官だった。

 飛鳥歴史公園は高松塚や石舞台、キトラなどの古墳周辺5地区からなる。甘樫丘地区には、7世紀に権勢をふるった蘇我蝦夷(そがのえみし)・入鹿(いるか)親子の邸宅があったとされる。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0223/OSK200802230060.html